マリナーズがチーム再建に向けて主力選手の放出を検討か

17年ぶりのポストシーズン進出を目指しながらもア・リーグ西部地区の3位に終わったマリナーズは、主砲のネルソン・クルーズがフリーエージェントとなるなど転換期を迎えている。ロビンソン・カノーやカイル・シーガーといった主力選手と長期契約を結んでいることもあり、来季以降も引き続きポストシーズン進出を目指すかと思われていたマリナーズだが、ジェリー・ディポートGMはワールドシリーズ制覇を狙えるチーム作りを進めるために、現在のチームを解体することを検討しているようだ。

ディポートはカリフォルニア州カールスバッドで行われているGM会議において「我々はワイルドカードの2枠目を争うのではなく、ワールドシリーズ制覇を狙えるロースターを築きたい」と発言。「そのための最速の方法を考えなければならない」とし、カノー、クルーズ、シーガー、フェリックス・ヘルナンデスを中心とした現在のチームから、ミッチ・ハニガー、エドウィン・ディアス、マルコ・ゴンザレスといった若い選手が中心となるチームへの切り替えを進めていく意向を示した。

2015年9月末にマリナーズのGMに就任して以来、80件のトレードで88人の選手を放出し、77人の選手を獲得しているディポート。もちろんこれは他のどのGMよりも多い数字であり、チームをよりよくするためにはトレードを躊躇しないのがディポートの特徴である。そのため、今回もワールドシリーズ制覇を狙えるチームを築き上げるために積極的にトレードを仕掛けることが予想されるが、カノー、シーガー、ヘルナンデスとは大型契約を結んでおり、マリナーズが年俸の一部を負担しない限り、トレードを成立させるのは難しい。また、クルーズはフリーエージェントとなっており、再契約の可能性は低くなったと判断してよさそうだ。

となると、ディポートのトレードの駒となるのはマイク・ズニーノやジェームス・パクストンといった年俸調停権を有した選手たちになる。また、二遊間にカノー、ジーン・セグーラ、ディー・ゴードンの3人がダブついており、セグーラとゴードンのいずれかを放出する可能性もある。さらに、ベン・ギャメル、ライオン・ヒーリー、ダニエル・ボーグルバックといった中長期的にチームの核となりそうにない選手たちもトレード要員となりそうだ。

完全なチーム解体とまではいかなくとも、ワールドシリーズ制覇を狙えるチームを作るための取捨選択が行われることは間違いない。今オフのディポートは例年以上に忙しいオフを過ごすことになりそうだ。

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