差し押さえ品をネット公売 神奈川県警、放置車両違反金回収

 神奈川県警は7日、違法駐車車両の持ち主が支払う放置違反金を回収するため、差し押さえたミニバイク1台と40型液晶テレビ1台をインターネットオークションにかけると発表した。県警が放置違反金回収のため、ネットオークションを活用するのは初めて。

 放置違反金制度は、反則金を納めない運転者に代わり、所有者に放置違反金の納付を命じる仕組み。駐車対策課によると、2017年度末時点の県内の未納違反金は約6億円(約4万7千件)に上る。

 県警は対策として、滞納者の預貯金を差し押さえて徴収にあたるが、口座が不明だったり、残高不足だったりして徴収できないケースが少なくない。こうした実態を踏まえ、差し押さえた物品を公売にかける取り組みを昨年から開始。より多くの公売参加者が期待でき、高値の落札の可能性が高まるネットオークションの導入を決めた。

 ヤフーの官公庁オークションを活用。今回は二輪車の放置駐車違反をしたとして、県警が再三、違反金の納付を催促したにもかかわらず従わない2人から、それぞれミニバイクと液晶テレビを差し押さえてオークションにかける。落札額が未納額を上回れば、残金は滞納者に返す。

 8日から21日までオークションへの参加申し込みを受け付け、入札は29日から12月2日に実施、翌3日に開札される予定。同課は「未納金を着実に回収するための方策。滞納金の放置は許さないという姿勢もネットオークションを通して啓発したい」としている。

神奈川県警本部

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