地域支援の在り方巡りシンポ 認知症「できることは」 専門員、民生委員ら意見発表

 第68回長崎市民生委員・児童委員大会が7日、長崎市茂里町の長崎ブリックホールで開かれ、ケアマネジャーや民生委員ら5人が認知症を巡るシンポジウムに登壇し、地域における支援の在り方について意見を発表した。

 長崎市と長崎市民生委員児童委員協議会が主催。長崎市内各地区の民生委員・児童委員ら約千人が参加した。

 シンポのテーマは「地域で支える認知症~私たちにできること~」。発表者のうち、長崎市地域包括支援センター連絡協議会の深堀優(ゆたか)副会長は▽認知症サポーター養成講座の開催▽各センターへの認知症地域支援推進員の配置-など市内20カ所の同センターで取り組む事例を紹介。「認知症は早期発見が大事だが、地域包括支援センターの職員だけでは、全ての高齢者を把握するのは困難。民生委員の気付きがきっかけで介入できた例もある」と話した。

 長崎市介護支援専門員連絡協議会の大町由里会長は、10年前に出会ったアルツハイマー型認知症の妻を介護する男性の「困っている人を助けるのが人間。人として当たり前のこと」という言葉に言及。認知症に対する地域での支援について「関わる必要性を周囲の人が感じること、関われる人が関わることが大事」と強調した。

 大会では、民生委員・児童委員を長年務めた215人を表彰。「地域福祉の向上に貢献できるよう努力する」などとする大会宣言を採択した。

認知症を巡り、地域における支援の在り方を考えたシンポ=長崎ブリックホール

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