アルコニックス子会社の「マークテック」、動風圧試験装置の本田工業買収 品質保証関連事業を強化

 非鉄総合商社のアルコニックス(社長・竹井正人氏)は、非破壊検査・マーキング装置事業を手掛ける子会社のマークテック(社長・西本圭吾氏)が8月に動風圧試験装置事業などを手掛ける本田工業(本社・大阪市中央区)を完全子会社化したことを明らかにした。

 マークテックは本田工業が持つ事業基盤を取り込むことで、品質保証関連事業のラインアップを拡充。新規ビジネスへの足掛かりをつかむことで、さらなる成長を目指す。

 本田工業は建築物や自動車の環境耐久試験を行う風洞システムなどの設計・施工を手掛けるエンジニアリング会社で、JIS認証機関やサッシなど国内大手建材メーカー、住宅設備メーカーに装置を納入する国内トップメーカー。マークテックと取引関係にはなかったが、金融機関からの紹介で事業譲渡に至った。

 マークテックは非破壊検査装置と印字・マーキング装置の主力2事業で安定した経営基盤を築いているが、自動車の電動化などの流れの中で既存市場の環境が変化すると予想している。こうした中で〝品質管理関連技術〟に強みを持つ企業を対象に、M&Aで新たな成長の柱を築くことを検討していた。

 アルコニックスは子会社のM&A戦略を推奨しており、今回の案件は「製造子会社によるMA&」の第一号となる。マークテックは今後もM&Aによる事業の拡大を狙っている。

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