便利屋・ゴンザレスの退団でグリエルがユーティリティに?

内外野のあらゆるポジションをこなしてチームに貢献してきたマーウィン・ゴンザレスがフリーエージェントとなり、退団が確実視されているアストロズ。チームはその穴を球団内部の人材で埋める方針だが、なかでも正一塁手として活躍中のユリ・グリエルには、よりフレキシブルな役割が任されることになりそうだ。

ゴンザレスは2011年のルール5ドラフトでレッドソックスが指名したあと、当時アストロズのGMに就任したばかりだったジェフ・ルーノウがトレードで獲得した選手だった。内外野を守れるユーティリティ性を生かしてメジャーに定着し、2017年のワールドシリーズ制覇の際にはチームの中心選手に成長。内外野7ポジションのうち、2016年はライト、2017年はセンターでの出場機会がなかったが、今季は一塁24試合、二塁32試合、三塁3試合、遊撃39試合、レフト73試合、センター2試合、ライト1試合と全ポジションを守り、故障者の穴を埋めるべく奮闘した。

しかし、そのゴンザレスが退団することにより、アストロズはゴンザレス抜きのチーム編成を進めなければならない。ルーノウの発言によると、アストロズはゴンザレスの代役を外部から補強するのではなく、ゴンザレスの代役となるユーティリティ・プレイヤーは球団内部の人材から発掘し、外部からはネルソン・クルーズのようなスラッガーを獲得する方針だ。

そこで注目を集めているのがグリエルである。今季のグリエルは一塁を109試合で守ったほか、二塁15試合、三塁21試合、遊撃2試合で出場。メジャー1年目の2016年にはレフトでの出場経験もあり、ゴンザレスほどではないにしても、チーム事情に合わせてフレキシブルに起用できる選手の1人である。一塁にはタイラー・ホワイトもおり、他の内野手が故障したり、休養で欠場したり、指名打者に入ったりする際にグリエルが一塁ではないポジションで起用されるケースは今後もあるだろう。グリエルが「ポスト・ゴンザレス」に収まれば、A.J.ヒンチ監督の選手起用はグッと楽になるはずだ。

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