輪禍、もう二度と 横浜・小5死亡事故現場の交差点改良

 8月末に小学5年の女児=当時(10)=が軽ワゴン車にひかれて亡くなる事故があった横浜市西区北軽井沢の市道交差点で、再発防止に向けた改良が始まっている。神奈川土木事務所が、複雑な五差路交差点であることが分かる表示を路面に施したほか、横浜市交通局も歩行者向けに横断時の注意を呼び掛ける看板を設置。同土木事務所は「悲惨な事故を防ぐ一助になれば」としている。

 

 事故は8月30日午後4時20分ごろに発生。現場はバス停と横断歩道が約5メートルしか離れていない。このため、バスは横断歩道をまたぐ形で停車し、対向車線の車からはバスの車体の後方が死角になりやすい。女児はバスを降車後に、バスの後部を回って横断しようとして輪禍に遭ったとみられる。

 現場は西、神奈川区境にあり、管轄する神奈川土木事務所が10月中旬から改良に着手。路面に五差路交差点の表示をしたほか、横断歩道付近を赤茶色に塗装して視認性も高めた。小学校の通学路であることを示すスクールゾーン表示も付近の2カ所に追加した。

 死角が今回の事故につながった可能性が高いことから、歩行者向けに「バスの直前、直後の横断は危険」、「このバス停は横断歩道上にバスが停車します」と啓発する看板も市交通局が設置した。こうした看板は今回の現場のほかに、同様にバス停と横断歩道が近接する市内17カ所にも設置した。

 この交差点を巡っては、県警や市交通局も、横断歩道やバス停の移設などの方策を探っている。神奈川土木事務所は「関係機関が再発防止に向け、交差点を改良するためにできることをやっていくスタンス」と説明する。

 亡くなった女児と同じ小学校に長男(9)が通っているという女性(38)は「保護者や近隣住民の声に耳を傾け、安全対策に引き続き取り組んでほしい」と求めた。

新たに設置されたバスの利用客らに注意を呼び掛ける看板=横浜市西区

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