実効性あるセクハラ規制とは 女性記者団体が討論

 報道機関の女性記者やフリージャーナリストらによる「メディアで働く女性ネットワーク(WiMN)」は8日、東京都内で、ジェンダーや労働政策の女性識者を招き、セクハラ規制の在り方について話し合った。WiMNは実効的な法整備を政府に求めている。

 

 セクハラは、男女雇用機会均等法で事業主に防止措置を義務づけているが、行為そのものを禁止する規定はない。民事訴訟は経済的、精神的に負担が大きく、行政による救済は主に金銭解決にとどまる。被害者は泣き寝入りを余儀なくされる傾向にあり、いずれの識者も現行法の不備を指摘した。

 

 一方で国際労働機関(ILO)は6月、職場でのセクハラや暴力防止の条約を2019年にも制定する方針を決めた。拘束力を持つ初の国際基準になる見通し。WiMN代表世話人で元朝日新聞記者の林美子さん(56)は「国内法整備の追い風になればいい」と期待した。

セクハラ規制の法整備を訴えるWiMNの林さん(左)=衆議院第1議員会館

© 株式会社神奈川新聞社