東京地区の熱延鋼板類、需要期入りで荷動き復調

酸洗市況に「底入れ感」も

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 東京地区では一般店売りマーケットにおける熱延鋼板類の黒皮品(中板)、酸洗品ともに荷動きが回復してきた。中板は9月中下旬あたりからその兆候が伺えたが、これまで停滞していた酸洗鋼板についてもここにきて動意が感じられ「最悪期に比べると引き合いが戻りつつある」(首都圏の有力販売店)。これにつれて、これまでやや軟弱気味だった販価(市況)も「底入れ場面を迎えた」(同)との感触だ。

 店売り市場での薄中板を取り巻く情勢は年明け以降、それまでのタイト感が乏しくなり、新年度に入ってからは末端実需も低迷が続いていた。7~9月期も期待に反して荷動き、引き合いは復調せず、市中では在庫調整も遅々としていた。

 メーカーの店売り値上げによる仕入れ値上昇分を売値に転嫁しきれず、市況(再販価格)は半年以上にわたりこう着し〝踊り場〟の様相を呈している。逆にコイルセンター出し値については、ロットがまとまると小幅ながら値引きしたり板幅エキストラを縮小したりする動きも一部に散見されたほど。

 下期の需要期入りを機に、7~9月期が低迷だった反動も加わり「引き合いに復調の兆しがみられ、11月に入ってその傾向が増している」(同)とのこと。

 中板については建機やトラック、建材関連需要の底堅さに加えてメーカーの店売り向け引受削減やデリバリー遅延の影響で品薄感を強める厚板の代替で厚物広幅サイズやSS400規格定尺品の注文も伸びている。酸洗も、地区主要レベラー各社の稼働がここにきて回復しつつあるようだ。流通扱い筋では〝潮目〟の変化を実感しているところが多い。

 こうした状況下で熱延鋼板市況は軟化懸念が払しょくし、ひとまず底入れした。ただ「底打ち・反発機運は乏しい」(同)とし、再び反転機運が台頭するかどうかについては、先行きの末端実需の出方や在庫調整の推移など需給動向の行方はもちろんアジア相場や「大口ヒモ付き価格の目にみえる改定が重要なポイント」(同)とされる。