米空母レーガン乗組員15人薬物関与 LSD所持など、2人起訴

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員15人が薬物の使用に関与したとして、米海軍犯罪捜査局(NCIS)の捜査を受けていたことが9日、米海軍への取材で分かった。うち2等兵曹2人が起訴され、今後基地での軍法会議にかけられる。

 在日米海軍司令部によると、起訴されたのは、アンドリュー・ミラー2等兵曹とショーン・ジェベロ2等兵曹。ミラー2等兵曹は1~2月、合成麻薬のLSDを所持、流通、使用し、ジェベロ2等兵曹は2月、LSDなどを所持、流通した疑いがある。

 2人のほか、3人が予備審問に入ったり、予定されたりしている。他の10人は既に軍の内部処分を受けたが、処分内容に司令部は明らかにしなかった。

 15人のうち14人は、約400人が勤務する原子炉部門に所属。14人はNCISの捜査中、任務を外されたという。

 市民団体「原子力空母母港化の是非を問う住民投票を成功させる会」(横須賀市)は8日、「LSDは幻覚作用をもたらす麻薬。原子炉部門担当者が使用していたとすれば、原子炉の誤操作や事故を招きかねない」とのコメントを発表。

 司令部は9日、神奈川新聞社の取材に対し「不祥事の申し立てを非常に深刻に受け止めている」とし、原子炉の運用について「乗組員の過去の勤務状況について確認したが、不適切な業務は見つからなかった。原子炉は安全で、運用は上級隊員の監督下にある」と回答した。

 R・レーガンを巡っては、乗組員の男性が5月、麻薬取締法違反(輸入)の疑いで県警に書類送検されたが、6月1日付で不起訴になった。

原子力空母ロナルド・レーガン

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