イチローと首位打者を争ったマウアーが現役引退を正式に発表

ツインズの象徴的存在であるジョー・マウアーが、キャリアを通して自身をサポートしてくれたファンに対する感謝を述べる手紙のなかで、正式に今季限りでの現役引退を発表した。かつてマリナーズのイチローと熾烈な首位打者争いを繰り広げた好打者は、ツインズ一筋のまま、ユニフォームを脱ぐことになった。

ミネソタ州セントポール出身のマウアーは、2001年のドラフトで地元ツインズから全体1位指名を受けてプロ入り。2004年4月にメジャーデビューを果たし、翌2005年には早くも正捕手の座を掴んだ。2006年、2008年、2009年と3度にわたって首位打者を獲得するなど、メジャーを代表する好打の捕手としての地位を確立し、2009年には打率.365、28本塁打、96打点、OPS1.031という自己最高の成績でMVPに選出。初の首位打者となった2006年から2013年までの8シーズンで6度の打率3割をマークした。

しかし、捕手の重労働はマウアーの身体に大きな負担を強いることになり、脳震盪の影響もあって2014年からは本格的に一塁手に転向。その年から今季までの5シーズンで打率3割をマークしたのは1度しかなく、本塁打は11本(2016年)、OPSは.801(2017年)が最高と、その好打には陰りが見え始めていた。今季限りでツインズとの大型契約が終了し、シーズン終盤には5年ぶりにマスクを被るなど、地元ファンもすっかり「お別れムード」。ツインズのフランチャイズ・プレイヤーということもあり、ツインズ一筋のまま、現役を引退することが有力視されていたが、ようやく正式発表するに至った。

MVP1度、首位打者3度のほか、オールスター・ゲーム選出6度、シルバースラッガー賞5度、ゴールドグラブ賞3度と輝かしい実績を残したマウアー。「たくさん考えたあと、野球から引退することを決めた。自分の健康と家族のことを考えた結果だ」と決断に至った経緯を説明した。通算2123安打は球団史上4位、428二塁打は同2位、出塁率.388は同6位にランクイン。ツインズの「レジェンド」の1人として、マウアーの雄姿は永遠にファンの記憶に刻まれることだろう。

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