長崎就航2年 ソウル便 伸びぬ邦人客 全体の8.8%、周知課題

 韓国の格安航空会社(LCC)エアソウルが2016年10月に長崎-ソウル線に就航してから2年がたった。県によると今年10月末までに累計で延べ8万1582人が利用したが、このうち日本人は7196人と8・8%にとどまり、大きな課題となっている。県などは割引キャンペーンや路線の周知を重ね、巻き返しを図りたい考えだ。
 エアソウルは火曜、金曜、日曜の週3便運航。10月末までの約2年間の搭乗率は6割弱で、県の目標搭乗率70~75%に届かなかった。中村法道知事は昨年5月、21市町長に「スクラムミーティング」で「県民、市民レベルでの国際交流拡大が必要。海外に目を向けてほしい」と強く訴えていた。しかし、日本人利用者の割合が大幅に増えたとは言い難い状況だ。
 県国際観光振興室は「韓国人には日本旅行がブームになる一方、日本の韓流ブームは一段落した。県北地域は福岡空港を利用している人も多い可能性がある」とする。さらにエアソウルは韓国ソウルの仁川(インチョン)国際空港発が午前7時55分、長崎空港発が午前10時15分発で、早起きしなければならないことも日本人の利用低迷に影響しているとみられる。県はエアソウル側にダイヤ改善の検討をたびたび要望しているという。
 いまだに長崎発着の国際定期便の周知も十分とは言えない。同室によると10月下旬に長崎市の街頭で214人に尋ねたところ、約3割は長崎-ソウル線と長崎-上海線の存在を知らなかった。
 県などでつくる県空港活性化推進協議会と日本旅行業協会(JATA)長崎支部などは長崎-ソウル線、長崎-上海線の旅行商品の代金を先着200人を対象に5千円値引きするキャンペーンを10月27日から11月末まで展開中。ただ、8日時点で長崎-ソウル線の商品に申し込んだのは4人だけ。同室は「ぜひとも利用してほしい」と呼び掛けている。

長崎空港と仁川国際空港を結ぶエアソウルの機体(県提供)

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