古生物の研究促進期待

北大総合博物館、むかわに分室設置

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 北海道大学総合博物館(中川光弘館長)は11日、むかわ町の穂別博物館(桜井和彦館長)の「かせき学習館」内に古生物学研究分室を設置する。北大総合博物館が外部に分室を構えるのは初めて。新種の可能性が高い国内最大のハドロサウルス科恐竜化石(通称・むかわ竜)の研究をはじめ若手研究者の育成にも活用する方針だ。

 分室は北大の研究者や学生らが、むかわ竜やアンモナイトなど穂別博物館が所有する化石を使い、研究室ではできない生きた研究に打ち込んでもらう拠点施設と位置付けている。当初は町が2021年度に計画する穂別博物館のリニューアルオープンに合わせて分室設置を計画していたが、前倒しして現博物館内に開設することにした。

 むかわ竜の発掘、研究に当たる同博物館・小林快次准教授や学生、大学院生らが訪れ、短期・長期の研究を行うことにしている。小林准教授は「拠点があることで時間のロスが解消され、研究に打ち込める。地元の中学生、高校生が研究に参加して学会で発表するなど、次のジェネレーションを生み出す場にもなる」と分室の開設に期待を寄せている。

 むかわ竜の化石はクリーニングが終わり、約8割以上(体積ベース)の化石が特定されている。国内外の研究者がプロジェクトチームを結成して化石の解析を進めているが、化石の特徴などから新種恐竜の可能性が高まっている。1、2年以内に研究成果が発表される見込みとなっており、分室の設置で研究の促進が期待される。

 北大と同町は13年(平成25年)から共同で、むかわ竜の発掘調査を始め、14年には恐竜化石の研究や教育、観光振興など幅広い分野で相互協力の協定を締結した。今年5月31日には、双方が分室の開設に関する覚書に調印している。
(佐藤重伸)