【平成の長崎】池島炭鉱の労組が解散 全炭鉱も団結と闘争に幕 平成14(2002)年

 平成13年11月に閉山した池島炭鉱(西彼外海町)の労働組合、松島炭鉱労組(井手口二郎組合長代行)と、上部組織の全国石炭鉱業労組(全炭鉱、田川昇執行委員長)の解散式が3日、長崎市内で開かれた。歴代の組合幹部や炭鉱の親会社・三井松島産業(福岡市)の多河喜史社長、連合の笹森清会長ら関係者140人が出席した。
 全員で殉職者に黙とうした後、田川委員長が「石炭産業が衰退する中、組合員の団結と先輩の努力で苦境を乗り越えてきた。今、国内から商業炭鉱が姿を消すのはまさに断腸の思い」とあいさつした。
 最後に、歴代の執行委員長と現在の組合幹部が団結と闘争の象徴だった組合旗を降ろし、松島労組は56年、全炭鉱は48年のそれぞれの歴史を閉じた。
 松島炭鉱労組は1946年、大島鉱業所鉱員労組として発足。池島鉱全盛時の80年ごろの組合員数は約1500人。全炭鉱は54年、全国百の労組で結成し、全盛時の組合員は約5万5千人。97年に三井三池鉱(福岡県大牟田市)が閉山し、傘下組織は松島炭鉱労組だけとなっていた
(平成14年3月4日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

戦後のエネルギー政策を支え続けた全炭鉱と松島炭鉱労組の解散式=長崎市、長崎グランドホテル

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