豪雨被災の刀剣3振りが修復完了

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 7月の西日本豪雨で水没などの被害を受けた刀剣をよみがえらせる日本美術刀剣保存協会岡山県支部(岡山市)の被災刀剣救済プロジェクトで、第1弾の3振りの修復が完了。10日、輝きを取り戻した最後の1振りが、所有者に返却された。

 刀剣はぬれたままだとすぐにさびてしまうため、県支部が7月下旬、「代々守り伝えられてきた刀剣は各家の宝。望ましい形で次代に残すことも被災地支援の一つ」とプロジェクトを発足。無料相談会などで呼び掛けたところ、被災地に住む3人から1振りずつ依頼があった。

 県支部のメンバーが刀の状態を確認。研師(とぎし)や柄巻師(つかまきし)を手配し、修復を進めた。2振りは10月末までに所有者の手に返された。

 最後の1振りは倉敷市の三海通生さん(84)が9月に託した、先祖伝来の室町末期の備前刀(刃長約56センチ)。浸水で全壊した自宅1階の土砂の中で見つかった。鞘(さや)が割れ、刀身は赤くさびていたという。

 三海さんは10日、修復を担当した県支部理事の刀匠・安藤祐介さん(39)が工房を構える備前おさふね刀剣の里(瀬戸内市長船町長船)を訪問。美しい姿に戻った刀と約2カ月ぶりに再会した三海さんは「一時は処分も考えたが、再生した姿を見て感無量」と喜び、安藤さんは「生活再建の道半ばながら、刀を大切にしてくれる心がありがたかった」と話した。

 県支部は引き続き相談を受け付けている。問い合わせは小池哲支部長(090—1350—7782)。