ニセ電話詐欺 受け取り役 「受け子」大学生も 学内で 友人、先輩が勧誘

©株式会社茨城新聞社

ニセ電話詐欺事件で現金受け取り役を担う「受け子」-。若者が逮捕されるケースが目立つが、詐欺グループの勧誘が大学生にも広がっている。県警は今年10月末までに詐欺未遂などの疑いで、大学生3人を逮捕しており、今後も増える可能性がある。捜査関係者は「先輩から後輩などへ勧誘しやすい環境がある」と指摘している。

■今年3人逮捕

「借金の返済に困ってしまい『受け子』を始めた」-。

水戸地裁で8月、詐欺未遂の罪に問われた、栃木県の男子学生(22)はニセ電話詐欺事件に加担した理由をこう述べた。

検察側の冒頭陳述などによると、男子学生は消費者金融2社からの借金があり、一部は未返済だった。父親が経営する会社が倒産し、アルバイトをして学費を賄う条件で都内の私立大に進学したという。ところが、麻雀など賭け事にはまり、借金を重ねた。

被告人質問で男子学生は「同じ大学に通う友人から『受け子』の仕事があると勧誘された」と証言。犯行の前日に非通知設定で3人から電話があり、「成功報酬と逮捕のリスク」「服装や持ち物、集合場所」「受け取った現金を振り込む口座番号」-など指定されたことを明らかにした。

県警捜査2課によると、今年10月末までに、ニセ電話詐欺事件で逮捕された大学生は3人。昨年1年間は2人だった。逮捕された学生はいずれも「受け子」といい、捜査幹部は「知人を通し、アルバイト感覚で手を染める子も多い」と話している。

一方で「受け子」は限られた情報しか与えられていないことがほとんど。このため捜査幹部は「『かけ子』や『指示役』など上位の人物につながりにくい」と摘発の難しさを語る。

別の捜査関係者は大学生の場合、「学内というコミュニティーの中では先輩が後輩を勧誘しやすい環境があるのかもしれない」と推察する。他県では、詐欺グループに誘い込む「リクルーター」役の大学生が逮捕されている。「大学生が加担するケースは増加する可能性がある」と捜査関係者は懸念する。

県内のニセ電話詐欺被害は、今年10月末までに236件(昨年同期比45件減)、被害額約2億3700万円(同約1億4500万円減)となっている。(吉原宗康)