「歩行者優先」希薄な広島県 車の一時停止1%

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 信号機のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている時に車が一時停止した割合を日本自動車連盟(JAF)が調べた結果、広島県が全国ワースト2の1・0%だったことが分かった。他の中国地方4県では6・7%の山口が全国平均の8・6%を下回り、岡山10・8%、鳥取25・6%、島根26・5%だった。歩行者優先の意識の薄さがあらためて鮮明になった。

 調査は、中央線のある片側1車線の道路を対象に、各都道府県2カ所で8月15日〜9月13日の平日1日の日中に実施。JAF職員が1カ所につき、50回ずつ横断歩道の手前に立った際に一時停止した車の割合を調べた。一時停止した割合は、長野の58・6%が最も高く、栃木の0・9%が全国最低だった。調査は2016年から続けており、3回目の今回、初めて都道府県ごとの数値を公表した。

 道交法は、車は横断歩道を渡ったり、渡ろうとしていたりする歩行者がいるときは一時停止し、その通行を妨げてはならないと定める。JAFが昨年6月にしたインターネット調査では「ドライバーが一時停止しない(できない)と考えられる理由」については「停止しても対向車が停止せず危ない」「後続車がおらず通り過ぎれば歩行者は渡れると思う」が目立った。

 警察庁は、運転手は横断歩道での歩行者優先を徹底し、歩行者は横断歩道を渡るよう広報啓発や指導の強化を図ることを全国の警察本部に指示。今月下旬には横断歩道での歩行者優先の周知に絞った初の全国一斉の広報強化期間を設ける。

 広島県内では昨年、信号機のない横断歩道で歩行者がはねられ死亡する事故が3件あった。JAF広島支部は「ドライバーに歩行者優先のルールが十分理解されていない。今後も企業や学校で開く交通安全教室などでルールの徹底を呼び掛け、子どもたちには車をしっかり確認して横断歩道を渡るよう伝えたい」としている。