《ぐるっと点検ぐんま》県内天文台・プラネタリウム 企画多彩に

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県内のプラネタリウムがある施設とその特徴

 15年ぶりとなった火星の大接近や8月のペルセウス座流星群など、今年は星空に関する話題が豊富だ。県立ぐんま天文台(高山村)や群馬県内各地のプラネタリウムのある施設は天体観測を楽しめる多彩な企画を充実させ、誘客につなげている。

■来館者が大幅増

 標高800メートルの山中にあるぐんま天文台は、観光雑誌で特集されたり、書き入れ時の夏休みに好天が続いたことが奏功し、本年度の来館者は9月末時点で昨年度の同時期を7500人上回る2万6000人に達した。週末に開く初心者向けの望遠鏡講座などはほぼ毎回、定員いっぱいになる。担当者は「季節を問わず、県外からのカップルや家族連れが足を運ぶようになった」と話す。年末年始はふたご座流星群や部分日食もあることから、さらなる来館者増が見込まれるという。

 県内9カ所のプラネタリウムがある施設は、夜間に外出して、星を観賞するのは難しい親子連れから特に人気を集める。投影される星空を観賞する以外にも、解説員が説明したり、子どもを対象にしたイベントを実施してニーズに応えている。

■「お互いさま」

 子育て支援の一環として、前橋市の県生涯学習センター少年科学館は今月から来年2月にかけて計3回、乳幼児のいる家族向けに「親と子のプラネタリウム」を開く。子どもが泣いたり、大きな声を出しても「お互いさま」を合言葉に、クリスマスソングやジブリ映画の音楽を流して一緒にプラネタリウムを楽しんでもらう。担当者は「小さい子どもを持つ家庭でも気兼ねなく天体に親しんでほしい」と狙いを話す。

 「読書の秋」の要素も盛り込み、来館者の満足度向上を目指すのは、県内最大級のプラネタリウムがある館林市の向井千秋記念子ども科学館。23日に行う「プラネタリウムヒーリング 星月夜ゆめがたり」は「癒やしの提供」をテーマに、秋の星座やオーロラなどを投影。バイオリンの演奏や児童文学「手ぶくろを買いに」を同館職員が朗読し、リラックスできる空間を演出する。

 天体観測への興味、関心を高めようと、県プラネタリウム連絡協議会は天文台を加えた10カ所を巡るスタンプラリーを主催している。浜根寿彦事務局長(55)は「屋外で満天の星空を見上げる経験は記憶に残り、プラネタリウムの解説を聞けば星座の知識が豊富になる」と双方の利点を説明。その上で「人工的な星空と自然の星空の両方を楽しむことで天体への理解はより深まっていく」と話す。

◎満天の星空 観光資源に 嬬恋で観察会

 天体望遠鏡やプラネタリウムを持たない自治体でも、住民ボランティアらが星空を観光資源として地域活性化に生かす活動に取り組んでいる。

 嬬恋村の住民有志で組織する嬬恋ツーリズム推進協議会は今夏、連日のように星空観察会を開催。多い日には400人以上が参加した。講師の一人、宮崎光男さん(64)は「日ごろ見えない満天の星空を観賞できる貴重な体験で、参加者が増え続けている」と手応えを語る。

 星空観察は街の明かりなど光源がなければ平野部でも可能で、低コストの新たな誘客策として注目されそうだ。(山岸章利)