<社説>海外県人が知事支持 平和と繁栄のため連帯を

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 海外のウチナーンチュが「玉城デニー知事を支持する世界のウチナーンチュによる声明」を発表した。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する玉城知事の初訪米に合わせ、沖縄にルーツのある世界各地の人々にインターネット署名を呼び掛けた。7日現在で約600人の署名が集まった。海外県人が玉城知事に大きな期待を寄せていることが分かる。 声明では沖縄について「長期にわたり、基地の存在をめぐり政治的に分断され続け、時には家族をも引き裂かれてきた島々において、辺野古新基地建設計画に反対する圧倒的民意は重要な意味を持つ」と記し、明確に辺野古新基地反対の意思を示している。

 玉城知事の政治姿勢と軌を一にする。一方で「多くのウチナーンチュが政治的イデオロギーに縛られてきた。ウチナーンチュとしての立場性を主張する難しさを海外のウチナーンチュも感じている」とも吐露した。

 米兵の父とウチナーンチュの母の間に生まれた玉城氏が「日本史上、初の『混血』の知事となった事実は、今後の流れを変えうる重要な分岐点」だと指摘した。その結果、立場性を主張できない「阻害要因を取り除きうる存在だ」と玉城知事誕生を歓迎した。

 声明を読むと、辺野古新基地建設は沖縄に暮らす県民だけでなく、県外や海外に暮らすウチナーンチュにとっても切実な問題であることを改めて認識させられる。軍事基地の建設によって故郷を破壊されることへの強い拒絶感でつながっているのだ。

 こうしたウチナーンチュの意思を「『巨大な政府たち』の影に隠れた存在ではなく『民意』として明確に認識せよ」と訴えている。それは耳を傾けようとしない日米両国の無理解な世論に覚醒を促しているのだ。

 琉球新報の6日の「声」欄に、東京で暮らす沖縄出身男性の投稿が掲載された。居酒屋で辺野古新基地のニュースが流れた時、隣席の会社員がこうつぶやいたという。

 「沖縄の人間よ。今までずっと我慢していたんだろう。だからもう一生我慢しろって。日本のどこにも基地はもっていけないんだからさ。こっちが困っちゃうぜ」

 沖縄だけに基地が集中する不平等と不条理の根源がここにある。玉城知事は全国知事会議で「日米安保体制が重要なら、その負担も国民全体で担うべきだ」と訴えた。正論であり、当然の要求だ。

 世界人権宣言には「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等である」と定める。今年は採択から70年となる。沖縄にはまだ適用されないというのか。

 声明には「沖縄の平和と繁栄を取り戻す」とある。そのことを勝ち取るまで、ウチナーンチュは連帯を深め、強めていく。