大分の無人島・高島で観光リス害獣化 県天然記念物に被害?

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大分市の無人島・高島で、特定外来生物のクリハラリス(タイワンリス)が繁殖し、生態系への影響が懸念されている。軍事拠点だった島を観光地化するために大分県が放ったが、県指定天然記念物のヤシの一種「ビロウ」をかじり、立ち枯れの原因になっている可能性もある。国立研究開発法人森林総合研究所九州支所(熊本市)は被害実態の調査を始め、2020年度までの駆除を目指す。

高島は周囲約5・5キロで大正から昭和にかけて豊後水道防衛のため砲台や弾薬庫が建設された。同支所によると県は1953年、観光地化するため台湾などに生息するクリハラリス11匹を放った。現在100匹以上が生息するとみられる。

支所や市によると、ビロウに複数の穴を確認し、数本で立ち枯れ被害が発生。リスが木の皮をかじって虫を食べているとみられる。種子も食べるため「次世代の若木が育たない恐れがある」という。

高島には、国の天然記念物カラスバトが生息するほか、ウミネコも営巣。リスは鳥の卵も好むため、支所は食害も懸念している。本年度中に実態を調べた上で島内50カ所にわなを設置し、殺処分する考え。

九州では長崎県の壱岐市と五島市、熊本県宇土半島でも生息を確認。農作物への被害が相次いだ宇土半島では地元住民らが駆除に力を入れている。支所の安田雅俊・森林動物研究グループ長は「島外にリスを持ち出される危険性もあり、ここで食い止めたい」と話した。

=2018/11/11付 西日本新聞朝刊=