「レトロだが新しい」「亡き夫を思い出す」 門司港駅6年ぶり駅舎業務再開 [福岡県]

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大正時代の姿に復元された当時の1、2等待合室では、みどりの窓口の業務が始まった
10日早朝、始発列車の出発を前に真新しい駅舎の正面口で駅業務開始のあいさつをする松尾宜彦駅長(中央)

改修工事が進むJR門司港駅(北九州市門司区)で、工事が完了した1階のコンコースとみどりの窓口の利用が始まった10日、大正時代の姿に復元された駅舎には、多くの地元住民が駆け付けた。約6年ぶりに目にする駅舎の変貌ぶりに驚き、来年3月の全面開業への期待を膨らませた。

午前5時前、駅の正面入り口に駅員と整列した松尾宜彦駅長が「今日からこの駅舎での業務が始まる。門司港駅の伝統と由緒ある歴史をこれからも守っていく」とあいさつ。駅員が始発列車の発車を見送った。

コンコースでは、蛍光灯だった照明がシャンデリアになり、みどりの窓口の間取りも工事前と大きく変わった。駅舎の写真集を自費出版したこともある写真家の遠嶋健次さん(65)は「工事前の駅舎と、開業当時はかなり違いがある」と驚いた様子。会社員の松尾英人さん(79)は「レトロな雰囲気が残る一方で、真新しいので不思議な気持ち」と駅舎を見渡した。

「いろいろ思い出します」と感慨深げなのは高尾世津子さん(73)。駅は、7月に亡くなった夫との待ち合わせによく利用した場所だったといい、「一緒にこの日を迎えたかった」と言って、駅舎を眺めた。

駅では、写真を撮影する多くの観光客や鉄道ファンの姿も。近くで理髪店を経営する松永義和さん(55)は「かつての門司港の盛り上がりを取り戻すため、さらなる観光客の呼び水になってくれるはず」と期待を寄せた。

地元飲食店約70店舗でつくる「門司料飲連盟」の近藤真一郎幹事長は「観光客向けに地元飲食店をPRする方策を検討する」と力を込めた。

=2018/11/11付 西日本新聞朝刊=