多良木高魂、永遠に 野球部OBチームがマスターズ甲子園出場

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得点を挙げて喜ぶ多良木高OBチームのベンチ=10日、兵庫県西宮市
開会式で堂々と入場行進する多良木高OBチームのメンバーたち

 熊本県立高再編で来年3月に閉校する多良木高(多良木町)の野球部OBチームが10日、兵庫県西宮市の甲子園球場で開かれた元高校球児による「マスターズ甲子園」に出場した。母校への思いを胸に、同校野球部が土を踏むことがかなわなかった甲子園で、はつらつとしたプレーを披露した。

 「熊本県代表、多良木高校」-。開会式で学校名が甲子園球場に響き渡ると、選手やマネジャー計50人が、この日のために用意した現役時代と同じデザインのユニホームに身を包み、堂々と入場行進した。

 選手宣誓では、親子で出場した山村修児さん(61)、一臣さん(35)が「多良木高が閉校になっても、高校野球の精神や地域への感謝の思いを次の100年につないでいきます」と力強く誓った。

 全国から16チームが出場し、各チームが1試合ずつプレーできる。多良木高は、開会式後の“開幕試合”で、夏の甲子園に7回の出場経験がある日大東北高(福島)と対戦した。

 球児にとって憧れの舞台。はじめは緊張した面持ちの選手たちだったが、試合が進み、ヒットや好プレーが出るたびにベンチから明るい声が飛んだ。

 弟の颯太さんが同校野球部の3年生として“最後の夏”に挑んだ畑野涼太さん(20)は「甲子園は独特の雰囲気があって緊張したが、思いっきりプレーできた。盗塁もできて満足」と笑顔を見せた。

 試合は、初回に先制を許したものの、35歳以上が出場する後半に集中打で逆転、12-6で勝利した。元プロ野球投手の野田浩司さん(元阪神、オリックス)と多良木高時代にバッテリーを組んでいた尾方功一郎さん(49)は「あっという間だった。やっぱりここは最高のグラウンドだ」と汗を拭った。

 熊本工高野球部の監督や部長として甲子園経験がある多良木高野球部を最後まで率いた元監督の齋藤健二郎さん(69)もベンチ入りし、教え子たちを鼓舞。「遠方からもたくさんの卒業生や地域の人たちが応援に来てくれた。やっぱり、多良木高は素晴らしい高校です」とうなずいた。(球磨支局・園田琢磨)