デスク日誌(11/11):奥深き公選法

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 公選法は奥が深い。

 先の遠野市議選に軽トラックの選挙カーが登場した。稲刈りの終わったあぜ道をトコトコ遊説。のどかだなあ、と思っていたら、市議選の選挙カーに軽トラは使えないと分かった。

 公選法は「小型貨物自動車(軽トラ)」の使用を町村の長と議員の選挙に限定している。警察が事前審査で見落としたらしい。

 それにしても、立法した人は「農山漁村で選挙カーを調達しようとしたら、やっぱり軽トラだよね」とでも考えたのだろうか。町村をばかにしているのか、はたまた実情に通じた人か。

 合併で図らずも市になってしまった町村もある。いっそ軽トラ選挙カーを解禁すれば話が早いのに。

 地方行政の取材を専らとする記者の必携に地方自治小六法がある。公選法も載っていて、これが恐ろしく複雑怪奇で楽しい。

 例えば、候補が一堂に会しての立会演説会は駄目だが個人演説会の合同開催ならセーフだ。ん?

 軽トラの一件は、荷台を覆って落着した。市議選の選挙カーは「構造上、開放されているもの」でなければOKだからだという。

 つくづく奥が深い。 (盛岡総局長 矢野奨)