佐世保市民が企画したさまざまな文化イベントが開かれる「させぼ文化マンス」が10日、三浦町のアルカスSASEBOなどで始まった。11日まで。地域文化を担う人材を育てようと実行委と市が毎年開き、7回目。
今年初開催のオープニングイベントでは、佐世保市出身のテレビプロデューサーで市地方創生プロジェクトコーディネーターの菅賢治さん、映画監督の横尾初喜さんと妻で女優の遠藤久美子さんが登場。菅さんは「皆さんのパフォーマンスを充実させる箱を作るのが自分の役目。知らなかった佐世保を楽しみたい」と笑顔で呼び掛けた。
◎老若40人 民話を朗読
大野・皆瀬地区に伝わる民話「じんねみどん」の朗読会では、小学生から80代までの市民約40人が生き生きとした佐世保弁を披露した。
NPO法人「子どもと女性のエンパワメント佐世保」が企画。方言の特徴を楽しみながら子どもたちに表現力を磨いてもらおうと、市内の情報誌の創刊者が聞き集めた民話の絵本を題材に4月から練習を重ねた。
じんねみどんが鉄砲玉の代わりにシイの実でイノシシを仕留めようとしたが逃してしまい、1年後に背中に大きな木を生やしたイノシシと再会した話では、子どもと大人が一緒にユーモラスなせりふを感情豊かに表現した。
市立大野小2年の山村愛咲美さん(8)は「大きな声が出せた。ほっとした」と満足げ。母親の紗耶香さん(30)は「人前で話すのが苦手な子なのでうれしい。百点満点の出来」と褒めた。
◎歌や踊りで観客魅了
佐世保市を拠点とするダンスグループなど4団体は「佐世保キッズカルチャーフェスティバル」を開き、地元の多様な文化をイメージしたパフォーマンスで観客を魅了した。
ダンススクール「スターライトスクール」は、佐世保港を出港する中国クルーズ客船への「お見送りソング」などを紹介。中国語を織り交ぜた歌や大きく手を振りながら感謝を示すダンスを披露した。出演した県立佐世保北中2年の岩永祐一郎さん(14)は「佐世保は米国人も多く、いろいろな文化が混ざる場所。交流の楽しさを表現した」と笑顔で話した。
ほかに聖和女子学院高コーラス部や県立佐世保東翔高吹奏楽部、ダンスボーカルユニット「GOL★HAF」(ゴルハフ)も出演して来場者を楽しませた。