「お変わりないですか」被災者集団移転先で戸別訪問 高齢者孤立防止へ

©株式会社河北新報社

お年寄り(奥)の家を訪問する会員ら

 東日本大震災被災者の集団移転先として整備された宮城県山元町つばめの杜西地区で、住民組織「ときわ会」が本年度、高齢者の孤立防止へ月1度の戸別訪問活動を始めた。地域を歩くことでコミュニティーを着実に築こうと、住民がボランティアで奮闘する。

 毎月第3木曜日の午前、ときわ会会員約20人が6~7組に分かれ、地区約270戸のうち75歳以上のお年寄りがいる災害公営住宅や一戸建て計約100戸を訪問している。誕生日を迎えた人にはささやかな贈り物も用意する。

 「お変わりないですか」。10月18日、会員の訪問を受けた女性(85)は「来ていただきうれしい」と穏やかにほほ笑んだ。女性の家族は「ご近所では声を掛けられるうちに明るくなった人がいる。本当にありがたい」と語った。

 会員は1時間ほどの巡回後、集会所でその日の報告会を行う。10月には「話したがっている人が多いが、時間の関係で全員の思いには応えられない」との声が出た。すると、「月ごとに長時間話す相手を決めて巡回する方法もあるのでは」「傾聴ボランティアの団体に相談してみたい」などの提案があった。

 会は当初、住民が集うイベントを企画し、住民宅を訪れるなどして参加を呼び掛けていた。しかし、顔を出す住民が固定されがちになり、今年4月から定期的な巡回を決めた。

 つばめの杜西地区は、同東地区などとともに2年前にまち開きが行われたばかり。「こちらから出向くことで行事に来られない事情も分かり、それぞれの課題解決につながるかもしれない」と、ときわ会中心メンバーの坂根守区長は話す。「会員が話を聞く技術を高める方法などを探っていきたい」と活動の充実を目指している。