東レ、19年3月期予測を下方修正 繊維事業けん引で増収増益も原料高が影響

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 大手化学繊維メーカーの東レは9日、18年4月~9月期の連結決算と通期(2018年4月~2019年3月)の連結業績予想を発表した。4~9月期の売上高は前年同期比13.6%増の1兆1,912億円、純利益は同2.1%増の485億円となった一方、営業利益は同0.5%減の776億円と同期間としては6年ぶりの営業減益となった。通期の業績予想については、売上高が前期比11.1%増の2兆4,500億円、純利益は同2.2%増の980億円と従来予測を据え置いたものの、営業利益は前回予測から50億円減の同2.3%増の1600億円と下方修正した。同社は中国、ASEAN、欧州などの生産拠点を維持しながら、ユニクロとの新素材開発などが原動力となり、繊維部門を中心に業績を伸ばした。

 4~9月期は増収増益となり、中でも売上高は2桁成長となった。通期の業績予想も、売上高と純利益については従来予想を据え置き、増収増益としたが、炭素繊維での利益率低下が響き、営業利益は下方修正となった。一方、前期(2017年4月~2018年3月)は売上高が8.8%増、純利益は3.5%減であったことから、今期は売上規模の更なる拡大と増益への転換を見込む。

 4~9月期は、中核である繊維事業が、売上高19.0%増、営業利益17.5%増と好調。国内では、自動車関連など産業用途の需要が堅調で、天候不順の影響によるアパレル分野の低調をカバーした。海外では、自動車関連用途のほかアパレル分野も堅調。原燃料価格の上昇が国内外とも収益の下げ圧力となったものの、糸からテキスタイル、縫製品の一貫型ビジネスを進め、流通全体の最適化を実現させ、発展を維持した。ユニクロとの提携で開発した「ヒートテック」や「ウルトラライトダウン」などのヒット商品も業績拡大に貢献した。

 同社は目下、「成長分野での事業拡大」「成長国・地域での事業拡大」「競争力拡大」を要とした成長戦略プロジェクトの最中。当面、米中貿易摩擦の激化やブレグジットの影響などのリスク要因に注意を払いながら、引き続き中国を中心としたアジア等地域での事業拡大を推進する。