種差海岸の未来考える 小さな浜の会設立30年フォーラム/青森・八戸

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「はちのへ小さな浜の会」の設立30年を記念した市民フォーラム=10日、八戸プラザホテル

 三陸復興国立公園の種差海岸で環境保全に取り組む青森県八戸市の市民団体「はちのへ小さな浜の会」(古川明会長)は10日、八戸プラザホテルで、同会の設立30年を記念した市民フォーラム「おらんどの浜の話っこ」を開いた。会員や市民約70人が参加。日本ナショナル・トラスト協会の池谷奉文会長による講演やパネルディスカッションを通し、種差海岸が目指す未来について多角的な視点から考えた。

 講演で池谷氏は、経済発展に伴う開発によって、自然や生物多様性が影響を受ける問題を解説。国際社会は環境重視の傾向になっている現状などを紹介した。

 その上で、八戸が発展する鍵は種差海岸にあるとし、「この遺伝子を残して広めていくことができれば、八戸は日本や世界をリードできる」との見解を示した。

 パネルディスカッションは池谷氏、デーリー東北新聞社の荒瀬潔社長、日本野鳥の会青森県支部の関下斉支部長の3人がパネリストとなり、古川会長がコーディネーターを務めた。

 荒瀬氏は、自然公園を巡る環境省の方針が、本来の自然を生かす施策に転換しつつあることに言及。種差海岸に適した「保護」と「利用」に関し、「将来について地元と行政が見える形で議論していけば、市民にも価値や重要性が伝わり、種差海岸を大事にする思いが強くなる」と強調した。

 自然ガイドとしても活動する関下氏は、種差の歴史や生態系を説明。種差海岸について市民全体で考えることが必要だとし、「どのような風景や将来の姿を求めるのか、市民の皆さんも一緒に話し合ってもらいたい」と呼び掛けた。

 はちのへ小さな浜の会は1989年に発足。古川会長は取材に「今後も地道に活動を続けつつ、若い会員も増やせるような取り組みを進めたい」と話した。