【平成の長崎】本島前市長へ独勲章を伝達 「戦争加害も認めた」 平成14(2002)年

 戦争や原爆の被害者としてだけでなく、加害者としての立場を認めた信頼性ある平和政策をライフワークとして呼び掛けた―としてドイツ政府から功労勲章一等功労十字章を受けた前長崎市長の本島等氏(80)=長崎市三景台町=の勲章伝達式が23日、長崎市内のホテルであった。
 伝達式には在大阪・神戸ドイツ総領事館のヨハネス・プライジンガー総領事ら約20人が出席。総領事は、本島氏が著作などでドイツの元首相、元大統領らの戦争責任に関する発言などを引用していることを紹介し、「(本島氏の)道徳的厳格さと不屈の意志に圧倒された」と述べた。
 勲章を受けた本島氏は「ドイツには学ぶべきことばかりで、日本も頑張らないといけない。勲章をもらってこんなにうれしいのは初めて」と語った。
 同勲章は政治、経済、文化などでドイツに貢献した人に贈られる。日本人も年に数人受章しているが、平和活動関連の受章は珍しいという。
(平成14年9月24日付長崎新聞より)
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ドイツ政府から勲章を贈られる本島氏=長崎市、ホテルニュー長崎

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