「学びへ子ども導いて」経済の目で教育講演

©株式会社佐賀新聞社

神埼市吉野ヶ里町 「『学力』の経済学」などの著書で知られる慶応大准教授の中室牧子さんが4日、神埼市の千代田文化会館で「教育に科学的根拠を」と題して講演した。幼少期から自制心ややり抜く力を育むことが、子どもの成長や将来の所得などにプラスに働くことを経済学の研究や分析を交えながら解説した。

 中室さんは、子どもが勉強より遊びなどを優先してしまうのは、目前の利益が将来の利益より高く見える「双曲割引」の考え方で説明できるとした。「子どものインセンティブ(動機)を把握して、学ぶことが習慣づくように導くことが大事」と親の役割について述べた。

 幼児教育の投資効果が高いことを裏付ける海外の研究成果を紹介した上で、日本の国内総生産(GDP)に占める公財政の教育への支出が、就学前は経済協力開発機構(OECD)加盟国中最下位に沈むことを指摘。限られた予算も効果的に使われているとは言えず、「エビデンス(科学的根拠)無き政策の弊害」と経験則に頼りがちな日本の教育施策に危機感を示した。

 講演会は神埼市が開く「教育の日」の一環で、約350人が聴講した。

「教育に科学的根拠を」と題し講演した慶応大准教授の中室牧子氏=神埼市の千代田文化会館