【MLB】機能的な集団形成のカギは「言葉」 Dバックス、ヘッドトレーナーが来日講演会

ダイヤモンドバックスのヘッドトレーナーを務めるケン・クレンショー氏が都内で講演会を開催【写真:編集部】

「個」ではなく「チーム」として働く強みと効果を熱弁

 9日に開幕した「2018日米野球」で来日中のMLBオールスターチーム。そのチームにアスレチックトレーナーとして帯同しているのが、ダイヤモンドバックスでスポーツメディスン&パフォーマンスディレクターを務めるケン・クレンショー氏だ。20年に及ぶトレーナー歴を誇るクレンショー氏が率いるDバックスのトレーナーチームは、球界屈指の呼び声が高い。優秀な人材を多数輩出する組織作りには何がポイントとなるのか。クレンショー氏は10日、都内で講演会を開催。機能的な集団作りの秘訣について説いた。

「“I” から “We” へ? MLB最高のトレーナーチーム、チームビルディングの秘密」というタイトルで開催された講演会には、野球界、スポーツ界に留まらず、他業種からも約70名の受講者が集まった。クレンショー氏は自らの経験も踏まえながら、個人で1人の判断で動くことよりも、多様な価値観を融合させたチームでとして働くことで、より機能的、発展的な成果を上げられることを説明。そして、個々のメンバーの価値を最大限に発揮できる最高のチーム作りのためには、他人の話に耳を傾け、自分の意思を言葉で伝える「コミュニケーション能力」が最も重要なカギになることを伝えた。

 クレンショー氏が機能的な組織作りのヒントを得たのは、米軍の中でも特に優秀とされる海兵隊(SEALS)の在り方だったという。個人の褒賞を求めるのではなく、個の力が集まったチームとしてより大きな目標を達成することの重要性と楽しさを知ったクレンショー氏のトレーナーチームは、今季からツインズでアシスタントアスレチックトレーナーを務める阿部正道氏が羽ばたき、現在は谷澤順子アシスタントアスレチックトレーナーが所属する。

 約1時間半にわたる講演の最後には、活発な質疑応答が行われるなど、受講者は大いなる興味を掻き立てられたようだ。さらなるグローバル化が進む日本において、メジャー球団が誇る機能的な組織の在り方に、大いなる成功のヒントが隠されていそうだ。(Full-Count編集部)

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