【MLB】大谷は+35億円、ダルは-30億円…米メディアが年俸との差で今季の価値“査定”

エンゼルス・大谷翔平とカブス・ダルビッシュ有(左から)【写真:Getty Images】

WARを基に算出、大谷は10試合登板に終わった投手での数値は伸びず

 近年、選手の年俸が高騰の一途をたどっているメジャーリーグ。今季も高額年俸に見合う活躍をした選手、期待を裏切ってしまった選手、“年俸以上”の活躍をした選手など、様々だった。米メディア「ブリーチャレポート」では、「MLBマネーボール・パワーランキング:必要以上に支払っている球団は?」と題した特集を掲載。それぞれの選手の価値を算出し、各チームの“コスパ“を査定しているが、大谷翔平投手がエンゼルスでベスト5入り、ダルビッシュ有投手がカブスでワースト5入りしている。

 記事では「2018年、どの球団がもっとも適正な支払いをしたのだろうか」として、算出方法を説明。MLBの記録専門サイト「Baseball Reference」が算出しているWAR(Wins Above Replacement=様々な指標を総合し、ある選手が走攻守の全てを合わせて、どれだけ勝利に貢献したかを評価するもの)を参照し、米データサイト「ファングラフス」のバリューシステムに基づいてWAR「1.0」につき800万ドル(約9億1000万円)と計算。ここから、選手それぞれの実際の今季年俸を差し引き、価値を出しているという。

 この計算で、大谷は+3065万5000ドル(約35億円)と算出されている。もっとも、エンゼルスではマイク・トラウト外野手が+4751万7000ドル(約54億1000万円)、アンドレルトン・シモンズ内野手が+3860万ドル(約44億円)となっており、大谷よりも年俸と実際の価値の差が大きいとされた。トラウトは実際の年俸もメジャー最高の3325万ドル(約38億円)となっているだけに、まさに驚異的な数字と言える。一方、ワーストはアルバート・プホルス内野手の-2600万ドル(約30億円)だった。

 寸評では、大谷について「二刀流の天才であるショウヘイ・オオタニは打者としてWAR2.7、投手としてWAR1.2を記録。しかし、故障により先発はわずか10試合となった。エンゼルスはトミー・ジョン手術後の最も最適な起用法を再考する必要があるだろう」としている。

ダルビッシュはカブスでワースト、メジャーでもワースト3の-30億円…

 一方、昨オフに大型契約でカブスに加入したダルビッシュは-2660万ドル(約30億円)という厳しい“査定”を受けた。負傷に苦しんだ今季はわずか8試合の登板で1勝3敗、防御率4.95。実際の年俸は2500万ドル(約28億5000万円)だが、今季のWARはマイナス値だった。

 カブスではワーストの数字で、メジャー全選手の中でもワースト3。メジャー全体のワーストはフェリックス・ヘルナンデス投手(マリナーズ)の-3725万7000ドル(約42億4000万円)、ワースト2はホーマー・ベイリー投手(レッズ)の-3380万ドル(約38億5000万ドル)だった。もっとも、寸評では「オフシーズンのユウ・ダルビッシュとタイラー・チャットウッドの契約は失敗だったが、フロントオフィスはトレード期限で成功。コール・ハメルズ、ジェシー・チャベス、そしてデラロサを獲得し、投手陣を強化した」と、カブスはシーズン途中のトレードでFA補強の失敗を補ったとしている。

 このほかに、カージナルスではメジャー復帰1年目でリーグ最多の18勝(4敗)を挙げた元巨人のマイルズ・マイコラス投手が+2745万ドル(約31億2400万円)とチーム3位のプラス値を叩き出している。なお、メジャートップのプラス値と査定されたのは、ナ・リーグのサイ・ヤング賞候補にも名前が上がるメジャー4年目のアーロン・ノラ投手(フィリーズ)で、なんと+7942万7000ドル(約90億4000万円)だった。(Full-Count編集部)

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