新日鉄住金、空調ダクト向けに環境対応型新商品 クロメートフリー溶融亜鉛めっき鋼板

 新日鉄住金は9日、レギュラースパングル仕上げの溶融亜鉛めっき鋼板について、環境対応型新商品「スパングルジンク」を販売開始したと発表した。欧州の環境規制で鉛や六価クロムといった有害物質の使用を制限する自動車や電機に対し、国内の建材分野でも環境負荷物質の低減へ社会的要請が拡大。日本工業規格で一部の表面処理鋼板をクロメートフリー化した昨年6月に続き、次回の改正でも対象が広がる見込みにある中、先行して建材向け溶融亜鉛めっき鋼板の全面クロメートフリー化を加速させる。

 レギュラースパングル仕上げの溶融亜鉛めっき鋼板は、主に建築物の空調ダクトに使用し、めっきの初期防錆を高めるニーズからめっき表面にクロメートの化成処理を施すのが一般的だった。新日鉄住金では同鋼板の特徴である均質で美麗なスパングル模様(通称・花柄)の鉛フリー化を実現しているのに加え、今回はこれまでの外観や耐食性、加工性などを反映したクロメートフリーでの化成処理皮膜を開発した。

 一連の新商品は君津製鉄所(千葉県君津市)で10月から生産に乗り出しており、今月中旬以降順次出荷していく。

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