昭和電工、超微粒子チタン設備増強 生産能力3割増、電子機器需要増に対応

 昭和電工は9日、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の原料となる超微粒子酸化チタン「スーパータイタニア」の生産能力増強を完了したと発表した。

 子会社の昭和電工セラミックス富山工場内にあるMLCC向けスーパータイタニアの生産ラインを1系列増設。2019年1月以降、生産能力は現行比3割増となる見通し。

 MLCCはスマートフォンに代表される小型化・軽量化が要求される情報機器や薄型テレビなどのデジタル家電向けに多く使用されるコンデンサー。同社によると、市場成長率は年1割程度。電子機器需要の拡大を受けて設備はフル稼働の状況が続いているという。

 MLCCの小型化・高容量化には、純度が高く粒子サイズの微小なチタン酸バリウムが必要とされる。

 同社が製造・販売するスーパータイタニアは、最先端のプロセス制御技術により生産され、粒子の大きさは15~250ナノメートルと微細で、「高純度・微細」の条件に応えている。同社は「MLCCの原料だけでなく、各種フィラー材料など幅広いニーズに対応できる」としている。

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