アメリカの悩み~トランプ大統領がマクロン氏に怒った理由

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月12日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。アメリカとヨーロッパの軍事費とGDPの関係について解説した。

トランプ NATO 軍事費 GDP 防衛費 増額 フランス マクロン大統領 外遊

ドナルド・トランプ – Wikipediaより

トランプ大統領が中間選挙後初の外遊をスタート

アメリカのトランプ大統領は6日の中間選挙後、初の外遊を行い、パリでフランスのマクロン大統領と会談した。マクロン大統領が提唱するヨーロッパ軍の創設に「非常に侮辱的だ。ヨーロッパはまずNATOの公正な分担金を支払うべきではないか」と噛みつき、マクロン氏も「より適切な負担のあり方が必要だ」と配慮を滲ませ、機嫌を取り持つのに懸命となった。

飯田)ヨーロッパというか、EUに常設軍を作ろうとマクロンさんは言っていますが「その前にNATOだろう」とトランプさんは言っている。この辺は食い違っていますね。

須田)この話題は別にトランプ大統領が就任してからの話ではありません。いちばんアメリカが頭を悩ませていると言うか、気にかけているのは、GDPと軍事費のバランスがとれていないという点なのです。

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2004年、NATOのサミット(北大西洋条約機構 – Wikipediaより)

以前からアメリカはNATO加盟国へ軍事費の増加を求めている

須田)アメリカのGDPが世界に占める割合というのは、だいたい4分の1(25%)と考えていい。しかし、それに対して軍事費は約36%で、あまりにもアンバランスです。「過剰な軍事費、安全保障費をアメリカは負担している」という意識が強いのです。だから「アメリカの軍事費を減らして行く一方で、ヨーロッパ各国、NATO加盟国は応分の軍事費を負担しなさい」ということです。その矛先が向いているのは特にドイツです。対GDP比が2%。これについて「約束なのだから、きちんと支出しなさい」と圧力が加わっている。ただ、アメリカ軍の配備の見直しはトランプ政権以前から進んでいる話ですよね。「配備を見直して重点地区を変えて行こう。世界の警察官は止めよう」という流れは、オバマ政権時代からずっと続いている話です。トランプ政権になってから急に始まった話ではありません。その辺をヨーロッパ、NATO加盟国側は、どう受け止め、行動するかだと思います。

飯田)オバマ政権時代から「アジア・ピボット戦略」と言っていました。どちらかと言うと、アジアに向かって来るということでしょうか。

須田)アジア太平洋地域になって来ると思います。

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アメリカは日本にも防衛費増額を求める

飯田)日本にとっては身近な問題になって行きますね。

須田)身近な問題でアメリカの軸足がウェルカムなのかと言うと、必ずしもそうではない。そのなかにおいても、日本の役割がある。例えば北太平洋においては日米韓。南太平洋においては日米オーストラリアという形で「日本の役割もキチンと果たしなさい」ということも合わせて、アメリカから要求されるということです。

飯田)そこで行くと、日本の防衛費はだいたいGDPの1%みたいな不文律が未だにあると言われています。トランプさんはこれも、本当は2%にしてほしいのですね。

須田)もちろんです。「アメリカから、もっと軍備を買いなさい」というところになって行くと思います。加えて、アメリカの防衛予算の内訳で、研究開発費はかなり多いのです。年間で10兆円くらい使っています。これが何を意味しているかと言うと、「世界最先端の新鋭設備、装備を作るから各国は買え!」というメッセージにつながるのだと思います。

飯田)なるほど。きょうはペンス副大統領が来日しますが、その辺も含めていろいろ気になりますね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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