「相模野基線」知って 相模原市内2図書館で企画展

 明治時代に全国の正確な地図を作るためにスタートした三角測量の第一歩となった「相模野基線」などを紹介する展示「明治150年とさがみはら」が、相模原市立橋本図書館(緑区橋本)と相模大野図書館(南区相模大野)で開かれている。

 相模野基線は、現在の同市南区麻溝台と座間市ひばりが丘間の約5・2キロを結んだ直線。1882(明治15)年、陸軍参謀本部測量局が測量を実施した。ヒルガード式基線尺と呼ばれる長さ4メートルの鉄製の物差し3組を順繰りに移動させ、106日間かけて正確な距離を測ったという。

 同様の基線測量が全国15カ所で行われて一等三角点が設けられた。同測量局は後に陸地測量部となり、戦後は国土地理院に引き継がれた。北側の北端点は相模原市指定史跡、南側の南端点と中間点は座間市指定重要文化財になっている。

 展示では、当時の測量を記録した「点の記」の複写や、三角測量と相模野基線の説明、測量により作られた明治、大正、昭和、平成の相模原市周辺の地図などが並んでいる。

 企画を担当した橋本図書館スタッフの磯谷清夏さんは「相模野基線は近代的な国が生まれる段階で行われた地図づくりというプロジェクトを伝える貴重なもの。たくさんの市民に知ってもらいたい」と呼び掛けている。12月12日まで。月曜日は休館。

展示されている相模野基線三角点の「点の記」の複写を手にする担当者=相模原市立橋本図書館

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