東京パラへ続く道 世界大会代表選考レース その先へ③

©有限会社大分合同新聞社

第36回大会で先頭争いを演じる(右から)西田宗城、山本浩之、エレンスト・ヴァン・ダイク、鈴木朋樹=2016年10月30日、大分市の大在公共埠前

 負けられない―。2020年の東京パラリンピックに向け、アスリートたちの戦いは始まっている。

 「大事なレースだ」。2年前の第36回大会で最速クラスのマラソンT34/53/54男子を制した山本浩之(52)=福岡市=は、大分に照準を合わせて調整を続ける。

 日本パラ陸上競技連盟は9月、今大会を19年に開かれる世界大会(会場未定)の日本代表選考レースに指定した。日本人上位3位が代表切符を獲得。さらに世界大会で4位以内に入れば、東京パラの日本代表に推薦される。

 山本は2年後を見据えている。「いつも通りの走りをするだけ」。27回目の出場。ベテランは日本人初となる2度目の頂点を目指す。

(有数の高速コース)

 世代交代を狙うホープたちも負けてはいない。

 「大分は国内の実力者が集まる。日本人1位を勝ち取る」。第36回大会で山本に1秒及ばず2位に終わった鈴木朋樹(24)=千葉市=と、2018年の世界6大マラソンで3度の日本人1位になった西田宗城(ひろき)(34)=大阪府和泉市=は口をそろえる。

 大分はコーナーや起伏が少なく、世界有数の「高速コース」と称される。前を走ってペースを握るか、後ろに下がり体力を温存して後半勝負とするか。

 日本屈指の瞬発力を持つ鈴木は「終盤まで粘って、一気のスパートで勝負を決める」。西田は抜群のスタミナを生かして「どこかで先頭集団から抜け出し、後続を引き離す」。それぞれの勝機を頭に描く。

 日本記録保持者の洞ノ上(ほきのうえ)浩太(44)=福岡県直方市=や、4度のパラ五輪出場経験を持つ副島(そえじま)正純(48)=長崎県諫早市=ら実力者も上位をうかがう。

(王座の奪還へ自信)

 日本勢に立ちはだかるのは海外の猛者だ。10~15年に6連覇した世界ランキング4位のマルセル・フグ(32)=スイス=は今大会も優勝候補の筆頭。16年はまさかのクラッシュでリタイアした。「コンディションは良い。天候に恵まれればタイムも狙える」と王座奪還に自信をのぞかせる。

 大分を過去3度制したエレンスト・ヴァン・ダイク(45)=南アフリカ=は11年ぶりの栄冠を視野に入れる。

(「とてもワクワク」)

 女子は同ランキング1位で、世界記録保持者のマニュエラ・シャー(33)=スイス=がエントリーしている。「大分に帰ってくることができ、とてもワクワクしている」

 シャー不在の第36回大会で優勝した喜納翼(28)=沖縄県うるま市=は「底力のある海外勢に食らいつく」と自らを鼓舞する。

 号砲まであと5日となった。2017年は台風で中止し、2年ぶりとなるレース。結果を出し、「その先」をつかむのは誰なのか。ドラマの幕が上がる。