報復キックで引退したあの審判が仰天発言「メディアやSNSが大事件にした」

今年1月、リーグアンのPSG対ナント戦で起きた仰天事件は大きな話題になった。

ナントDFジエゴ・カルロスと接触して転倒したトニー・シャプロン主審が、蹴りを見舞って“報復”したうえで彼を退場にしたのだ。

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その後、謝罪したシャプロン氏には3か月の職務停止処分が下ったが、彼は審判業を引退。

同氏はそれまでにもハットトリックを達成したイブラヒモヴィッチに記念のボールを贈呈することを拒み話題になった人物だ。

そのシャプロン氏が『BBC's World Football』に出演し、あの事件について振り返った。

トニー・シャプロン(元主審)

「彼を蹴りたくはなかったんだ。

残念だよ。私の(審判としての)キャリアがあの試合で、ああいう状況で終わってしまったからね。

審判として1500試合を担当してきた後に受け入れるのは難しかった。あの瞬間はただ瞬間的に反応しただけだからね。

私も人間だ。苦痛を感じたし、怖かったし、疲れた。あれは攻撃的なものではなかった。

私は倒れ込んだ。誰かに押されたので、反射的に足を出して、『おい、気をつけろ!』と言ったんだ。

実際のところ、選手や監督たちの反応は『OK、こいつはミスをやらかしたが、それがどうした?』というものだった。

だが…」

トニー・シャプロン(元主審)

「だが、メディアやSNSが大事件にした。

レフェリーはああいう行為はすべきではないからね。それには私も同意するし、自分のリアクションについて謝る」

「2006年のW杯決勝でジダンがヘッドバットをした時のことを思い出してほしい。

彼は素晴らしい選手だった。何年もの間、世界最高の選手のひとりだったかもしれない。

私の状況と比べるなら、ジダンのリアクションはさほど大事ではなかった」

本人としては選手よりも厳しい扱いを受けたと感じているようだ。

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