住友電工、焼結製品検査にAI導入 亀裂の検知精度が向上

 住友電工の焼結製品事業では、国内主力生産拠点である住友電工焼結合金の岡山工場(岡山県高梁市)の検査工程にAI(人工知能)技術を導入している。製品の亀裂をチェックする磁気探傷検査が対象。新技術導入で検査精度が向上しており、不良品の流出リスクがこれまで以上に抑えられている。

 AIを用いた検査では、焼結製品に関する検査画像データをサーバーに蓄積。集めたデータを基にした機械学習で亀裂の有無を「確信度」として数値化しており、その値が基準を超えた場合に亀裂ありと判断する。現在は目視での確認と併用している。

 新たな検査は商業出荷している製品ですでに適用されている。岡山工場では検査工程で撮影した画像データを、住友電工の伊丹製作所(兵庫県伊丹市)にある検査システムに伝送。そこで亀裂の有無が判定さる。岡山工場ではフィードバックされた判定結果を基に、OK品とNG品のコンベアに製品を振り分けている。

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