スミス獲得によって気になるカノーの処遇 考えられる3つのシナリオ

積極的にトレードを仕掛けることで知られるマリナーズのジェリー・ディポートGMは、今オフすでに正捕手のマイク・ズニーノらをレイズへ放出して俊足外野手のマレックス・スミスを獲得するトレードを成立させた。これによりディー・ゴードンが来季センターを守る可能性は消滅したと見られるが、二塁のゴードンとロビンソン・カノーが重なってしまい、さらなるロースターの再編が必要となっている。ディポートはカノーのポジションを確保するためにどのように動くのだろうか。

先週、カリフォルニア州カールスバッドで行われたGM会議でカノーの起用法について尋ねられたディポートは「まだわからない。我々のロースターがどのようなものになるか次第だね。スプリング・トレーニングが近付いてくれば、25人のロースターを最大限に生かす方法が見えてくるだろう。ロビー(カノーの愛称)が二塁を守ることがチームにとってベストなら、彼には二塁を守ってもらうよ」とコメント。ディポートは今オフ、ロースターの再構築を行うことを明言しているが、カノーの起用法はその動き次第ということになりそうだ。

ディポートの選択肢としては3つのシナリオが考えられる。1つ目はゴードンを正二塁手として起用し、カノーを一塁または指名打者で起用することだ。現在36歳のカノーは、まだ5年1億2000万ドルの契約を残しており、契約満了まで二塁にとどまれる可能性は低い。このタイミングで打撃力を生かすためにカノーを別のポジションへ移してしまうのは理にかなっていると言える。しかし、カノーが平均以上の守備力を持つ二塁手であることは間違いなく、一塁や指名打者に固定してしまうことについては「勿体ない」という感じもする。

2つ目の選択肢はカノーを引き続き二塁手として起用し、ゴードンを二塁から動かすことだ。この場合は、ゴードンを他球団へトレードしてしまうか、正遊撃手のジーン・セグーラをトレードしてゴードンを遊撃へ移すという2つの選択肢が考えられる。ただし、ディポートは「(ゴードンとセグーラの二遊間は)完璧にフィットしていた。これに手を加える必要はないだろう」と語っていたことがあり、このシナリオが実現する可能性は低いかもしれない。

最後に、3つ目はカノーを他球団へトレードしてしまうことだ。しかし、カノーの巨大契約を考えると、他球団との商談がまとまる可能性は極めて低い。また、ディポートはカノーの打撃力が引き続きマリナーズに必要であると考えている。となると、主砲のネルソン・クルーズがフリーエージェントで退団濃厚であることも加味すると、カノーを一塁や指名打者に回し、カノーとゴードンを同時に起用するシナリオを選択する可能性が高いと言えるのではないだろうか。

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