「しんどかった」―日ハム大田の“今季ベストプレー”を生み出した古巣での鍛錬

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日本ハム・大田泰示【画像:(C)PLM】

新天地2年目のシーズンを終えた太田、「気が滅入ってしまった」骨折による離脱

 新天地2年目にさらなる飛躍を期した日本ハム・大田泰示外野手は、前半戦を打撃好調で滑り出したが、自身初のオールスター出場が決まった直後に死球を受けて、左手中指を骨折、約1か月半の故障離脱を余儀なくされた。リハビリの間に感じていたこと、自身が選ぶベストプレーとその裏側に秘められた古巣での鍛錬の日々とは……。秋季練習中に話を聞いた。

――7月に故障離脱した時期に、外からチームを見て気付いたことはありましたか?

「1軍の試合は見ていました。2番を打つことが楽しくなって、チームも勝って前半戦は2位。オールスター選出もあって、凄くうまくいっているなかでの怪我でした。試合に出られなくなって歯がゆいし、悔しかった。野球なので、死球もあれば怪我もあるし、仕方がない。どうしようもできないですけど、気が滅入ってしまいました」

――ファームでは若手とプレーする機会もありましたね。

「2軍の施設で頑張っている皆を見て、自分を戒めることができました。リハビリではやることがあまりないのですが、早く来てストレッチをして『こういうことをしっかりやったから』と、自信にもなる。それを後輩にも見てもらって、いいお手本になりたいと思いました。野球に取り組む姿勢を見つめ直すこともできましたし、いい時間になったと思います」

――グラウンド内の話に限らず、日本ハムはあらゆる面で新しいことに取り組もうとする姿勢を感じます

「若くて自由に、のびのびとやるのはチームの良さだと思いますね。思い切って、怖がらず、前向きに進めるのは凄いなと思いますね」

――全力プレーは大田選手のモットーだと思いますが、守備・走塁を大事にしているチームに加入して影響を受けたことはありますか?

「ファイターズに来て、川名(慎一)コーチや2軍の紺田(敏正)コーチにも新しい指導をしてもらいましたけど、根底にあるのは巨人でやってきたことですね。プロ3年目から外野手になって、2軍で小関(竜也)コーチから付きっきりで教わり、1軍では大西(崇之)さんと毎日、しんどい練習をして、ノックの球を受けました。そうした土台があったから、現在の応用ができつつある。基礎ができていないと、次のステップには行けないと思うので、きつくてしんどかった思いが生きている。そのお陰だと思います」

――自身が選ぶ今季のベストプレーも6月30日オリックス戦、吉田正尚選手の打球をフェンスにぶつかりながらキャッチしたプレーを選びました。

「フェンス際(の打球)は本当に難しくて、捕ったもののぶつかってボールを落としたりするのですが、(札幌ドームの)外野フェンスも柔らかくなっていたので、今年は結構チャレンジをして捕りに行きました。ただなかなか捕れなくて、いろいろ川名さんと話して練習をしていましたが、(そのプレーは)練習どおり、イメージどおりの打球が来て、本当にいいキャッチができたなと思いますね」

秋季練習では「打球の角度」を意識

――パ・リーグとセ・リーグの野球に違いを感じることはありますか?

「まず、パ・リーグはピッチャーの球が強い。真っ直ぐやパワーカーブ、スライダーも大きく縦割れするものとか。そのあたりは『パ・リーグは凄い』と思います。バッターも振りますね。とんでもないところでも、フルスイングする感じがあります。大振りではなく、強く振る。セ・リーグは投手のコントロールがきっちりとしていて、打者は当てるのがうまいですね」

――打撃練習中では、バットの出し方を意識している様子が見られました。

「僕の打球は角度がつかない。ライナー系が多いので、広くてフェンスが高い札幌ドームでは結構、フェンス直撃、それも上の方で終わります。もう1、2度上がれば余裕で入るので、今は『角度が上がらないかな』と思いながら取り組んでいます。ただ、極端に変えてしまうと、バッティングが分からなくなるので。微妙なところで角度をつけられないかなと思いながら、練習をしています」

――来季の目標をお願いします。

「来年は怪我なく、1軍で1年間出場し続けることを目標にします。その上で高い目標を持ちたいので、去年言っていた『25本塁打』に近付きたいですね。今年は怪我があって目標に到達することはできなかったですけど、前半戦はいいペースで本数が増やせたので、手応えがあります」(「パ・リーグ インサイト」藤原彬)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)