ベッテル、F1ブラジルGPにおけるパフォーマンス不足の原因はマシンのセンサー不調と判明

 フェラーリは、F1ブラジルGP決勝でセバスチャン・ベッテルのパフォーマンスがひどく弱々しかったのは、SF71Hマシンのセンサーに問題があったからだと明らかにした。

 2番グリッドからスタートのベッテルだったが、フォーメーションラップの初めからマシンの扱いに苦労している様子で、レース開始後もターン1進入でポールポジションのルイス・ハミルトンを抜くチャンスは見出せなかった。

 第1スティントでチームメイトのキミ・ライコネンとレッドブルのマックス・フェルスタッペンに追い抜かれたベッテルは、ピットストップで再びライコネンに先行したものの、その後出たチームオーダーに従って彼に順位を譲っている。

 結局ハミルトンにはフィニッシュラインで27秒差を付けられ、6位でフィニッシュするのがやっとだった。だがレース終了後にチームが行なった説明によると、ベッテルには何の落ち度もなかったのだという。

「我々はフォーメーションラップの時点で、セブのマシンに取り付けられているセンサーに問題があることに気付いた」と、チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネは述べた。

「それは、レース全体を通して彼が通常とは異なるセッティングで走らなければならないことを意味した。このマシンを扱うのは難しかったはずだ」

 これを受けてベッテルは、「当然ながら簡単なレースではなかったし、6位という結果にも満足していない。僕はベストを尽くしたけれど、マシンを走らせるのは難しかった。ストレートですら苦労したよ」と語っている。

 決勝ではフェラーリがソフトタイヤに望みを託してスタートした一方で、他の上位チームはより耐久性の低いスーパーソフトを選択した。だが終わってみれば、あまり違いを出せなかったとベッテルは振り返る。

「ソフトタイヤでレースをスタートしたけれど、アドバンテージにはならなかったようだ。スーパーソフトが思ったよりも長持ちしていたからね。だけど、それが実態だったんだ」

「スタートの最初の部分ではうまくいっていたんだけど、次の部分はそれほど良くなかった。ルイスが前にいて、僕が行ける場所はなかった。S字の後半部で僕たちには十分なグリップがなかったんだと思う。一方ルイスとバルテリは協力し合っていて、僕としてはチャンスを見出せなかった」

「ルイスはブレーキを少しだけ早くしてバルテリに外側のラインを与えていた。そして2周目か3周目には僕たちより速かったマックスにも抜かれてしまったんだ」

 ライコネンは表彰台に上れたものの、フェラーリとしてメルセデスとのコンストラクターズ選手権争いを2週間後の最終戦アブダビGPまで持ち越せるだけの、十分なポイントを稼ぐには至らなかった。

「メルセデスはこのところずっと僕たちよりも強かった。彼らにはおめでとうと言うだけだよ」とベッテルは肩をすくめた。

「だけどキミが表彰台に上ったことはうれしい。コンストラクターズ選手権を獲れなかったにしても、チームとしては良い結果だからね」

 アリバベーネは、素晴らしいスタートを切ったフェラーリの2018年シーズンが、このようなかたちで終わることについて失望を隠せずにいる。

「残念なことだが、今日はキミが表彰台に上ったものの、チームとしてはコンストラクターズのタイトル争いを続けていくという目標を達成できなかった。メルセデスには、チームのタイトル獲得おめでとうと言いたい」

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