グレード構成を見直し若返りを図る
「いつかはクラウン」という言葉があるほど、トヨタ クラウンは私たち日本人にとって誰もが憧れる高級セダンと言える存在でした。しかし、現在はSUVやミニバンが持て囃される時代となり、クラウンユーザーの年齢層は約65歳以上にもなったと言われています。また、メルセデス・ベンツやBMWをはじめとする欧州の高級セダンが日本でも人気を集めているのもまた事実です。
そんな状況の中、ユーザーの若返りを図り、欧州の高級セダン勢に流れつつあるユーザーの興味を国産高級セダンへと取り戻すべく、1955年に誕生した初代から数えて15代目となる新型クラウンが2018年6月に発売されました。
新型クラウンの大きなトピックと言えるのは、グレード構成の刷新です。これまでクラウンと言えば、高級志向の「ロイヤル」とスポーツ志向の「アスリート」。そして、全長をストレッチした「マジェスタ」という3構成でした。ところが、新型クラウンでは、標準グレードとスポーティなRSという2本立てに変更し、ボディサイズも1種類になっています。
保守派からイマドキなスタイリングに変化
若返りをメインテーマとする新型クラウンの大きな変更点が、クラウンの歴史上初めて6ライトウインドウを採用したことです。
これまでクラウンの象徴である王冠マークをあしらった太いCピラーを廃止。ルーフ前端からリヤトランクにかけて緩やかな弧を描くラインとなり、4ドアクーペのようなデザインになりました。また、ボディサイズは先代のアスリートと比べて、全長で+15mm、ホイールベースは+70mm長くなったこともあり、どの世代のクラウンよりも伸びやかでエレガントな印象となっています。
欧州車のようにスッキリした印象のインテリア
水平基調で適度な包まれ感と開放感が融合したインパネ回りが特徴的なインテリアには、先代のロイヤルにあったような光沢の強い木目調パネルが採用されていません。また、細部に入れられたステッチが質感を高めながらも、欧州の高級セダンのように落ち着いたクリーンな印象です。
ダウンサイジングターボと2種類のハイブリッド
新型クラウンのエンジンは、先代までが採用していたV型6気筒2.5リッターと、3.5リッターのノーマルエンジンを廃止し、新たに直列4気筒2リッターターボ、直列4気筒2.5リッターハイブリッド、V型6気筒3.5リッターハイブリッドの3種類が設定されています。
2代目の途中から半世紀以上にわたり、受け継がれてきた6気筒ガソリンエンジンが消えたことを惜しむ声もありますが、ダウンサイジングターボと2種類のハイブリッドというエンジン構成は、現代のニーズに即した賢い選択と言えるのかもしれません。
トヨタを代表するモデルだからこそ最新の安全技術を標準装備
新型クラウンには、2017年末にマイナーチェンジされたアルファードとヴェルファイアから採用が始まった、新世代のトヨタセーフティセンスが全グレードに標準装備されています。
走行中車線の中央を維持して走行するLTA(レーントレーシングアシスト)や、停止まで対応する先行車追従型のアダプティブクルーズコントロール。さらに、日中や夜間の歩行者にも対応する自立自動ブレーキ機能など、多くの機能を搭載し、日本で販売される車のなかでトップクラスの性能を持っていると言っても良いでしょう。
自分のクルマを友達登録できる!?コネクテッドカーサービス
人や街と繋がるコネクテッドサービスに重点を置いていることも、新型クラウンの大きなトピックの一つ。トヨタ自身が「初代コネクテッドカー」と位置付けており、新型クラウン全車がDCMと呼ばれる車載通信機を標準装備しており、全車で「T-Connect」と呼ばれるテレマティクスサービスを利用可能です。
また、自分のクルマを友達登録できる「LINEマイカーアカウント」というサービスが用意されるなど、長年トヨタを代表するモデルであったクラウンらしく、クルマの新たな価値や利便性を体現する存在となっています。
トヨタ 新型クラウン主要スペック
/6000rpm
/5200-5800rpm
/3800-5400rpm
/1650-4400rpm