捕鯨や鯨食文化について考える「全国鯨フォーラム2018東そのぎ」が13日、長崎県東彼東彼杵町彼杵宿郷の町総合会館であり、鯨にゆかりのある自治体の関係者らが「鯨と地域」をテーマに意見を交わした。
9月にブラジルで開かれた国際捕鯨委員会(IWC)総会議長で、東京海洋大教授、森下丈二氏が基調講演。IWCで捕鯨を巡る論争が続き、商業捕鯨の再開が厳しい現状を解説した。
パネル討論では、渡邉悟町長ら6人が、鯨食文化の継承や地域での情報発信について議論。長崎くじら食文化を守る会会長の川島明子氏は、学校給食を通じた鯨食普及の重要性を指摘。和歌山県太地町職員の和田正希氏は、学校で捕鯨の歴史などを学ぶ授業を紹介した。
下関海洋科学アカデミー鯨類研究室の石川創氏は「捕鯨や鯨食にこだわらず、鯨の魅力を幅広く発信する必要がある」と提言した。渡邉町長は「乱獲を防ぐ仕組みは可能なはず。今後も捕鯨の継続について政府にしっかりと対応を求めていくのが自治体首長の責務だ」と述べた。
フォーラムは「捕鯨を守る全国自治体連絡協議会」の加盟自治体で毎年開き、長崎県内での開催は4回目。町民ら約500人が聴講した。