今オフは106人戦力外… 例年より多い実績者、沢村賞やタイトル獲得選手も

ソフトバンクから戦力外となっている摂津正【写真:藤浦一都】

ソフトバンク摂津は2012年に沢村賞、五十嵐は日米通算860試合登板

 ソフトバンクの2年連続日本一で幕を閉じた2018年のプロ野球。現在は侍ジャパンがMLB選抜と「2018日米野球」を戦い、そのほかの選手たちは秋季キャンプに参加するなどし、来季への準備をスタートさせている。一方で、各球団のフロントは戦力整備を着々と進め、来季に備えている。

 11月8日には今シーズンの第2次戦力外通告期間が最終日を迎えた。クライマックスシリーズ全日程終了翌日から始まった2次戦力外通告期間では新たに40選手が、所属球団から来季の契約を結ばない旨を伝えられた。第1次通告期間(10月1日から12日)と合わせて、今季は106選手が戦力外通告を受けた。

 毎年、ドラフト会議で12球団合わせて100人前後の新人が指名される。各球団の支配下登録枠は70人が上限に定められていることから、オフにはほぼ同数が戦力外を球団から言い渡される。とはいえ、今季は例年以上に輝かしい実績を残してきた選手が数多く非情通告を受けることとなった。

 そして、13日には12球団合同トライアウトが開催され、48選手が参加。現役続行への“ラストチャンス”で、自らの力をアピールした。

 今オフに戦力外通告を受けた主な実績ある選手は以下のようになる。

◯摂津正(ソフトバンク)10年目
2018:7試合2勝4敗0セーブ0ホールド 5.16
通算:282試合79勝49敗1セーブ73ホールド 2.98
2009新人王、2012沢村賞
2009&2010最優秀中継ぎ投手、2012最多勝&最高勝率

◯五十嵐亮太(ヤクルト→MLB→ソフトバンク)21年目
2018:23試合0勝1敗0セーブ2ホールド 4.50
NPB:777試合60勝38敗70セーブ159ホールド 2.93
MLB:83試合5勝2敗0セーブ4ホールド 6.41
日米通算:860試合65勝40敗70セーブ163ホールド 3.21
2004最優秀救援投手

◯成瀬善久(ロッテ→ヤクルト)15年目
2018:1軍登板なし
通算:249試合96勝77敗0セーブ0ホールド 3.38
2007最優秀防御率&最高勝率

◯西岡剛(ロッテ→MLB→阪神)16年目
2018:25試合40打数5安打0本塁打1打点 .125
NPB通算:1125試合4140打数1191安打61本塁打383打点 .288
MLB通算:71試合233打数50安打0本塁打20打点 .215
日米通算:1196試合4373打数1241安打61本塁打403打点 .284
2005&2006盗塁王、2010首位打者&最多安打
2005、2007、2010、2013ベストナイン
2005、2007、2010ゴールデングラブ賞

◯佐藤達也(オリックス)7年目、現役引退
2018:1軍登板なし
通算:262試合11勝21敗14セーブ109ホールド 2.71
2013&2014最優秀中継ぎ投手

◯聖澤諒(楽天)11年目
2018:27試合62打数12安打0本塁打2打点 .194
通算1034試合3004打数823安打19本塁打249打点 .274
2012盗塁王

かつてベストナインやゴールデングラブ賞に輝いた実力者たちも…

◯細川亨(西武→ソフトバンク→楽天)17年目
2018:2試合2打数0安打0本塁打0打点 .000
通算:1396試合3347打数678安打84本塁打366打点 .203
2008&2011ベストナイン 2008&2011ゴールデングラブ賞

◯田中浩康(ヤクルト→DeNA)14年目、現役引退
2018:31試合48打数9安打0本塁打3打点 .188
通算:1292試合3823打数1018安打31本塁打351打点 .266
2007&2012ベストナイン、2012ゴールデングラブ賞

◯荒波翔(DeNA)8年目
2018:11試合11打数0安打0本塁打0打点 .000
通算:522試合1571打数410安打10本塁打96打点 .261
2012&2013ゴールデングラブ賞

◯寺原隼人(ソフトバンク→横浜→オリックス→ソフトバンク)17年目
2018:21試合0勝0敗0セーブ4ホールド 2.39
通算:299試合71勝80敗23セーブ12ホールド 3.85

◯吉村裕基(DeNA→ソフトバンク)16年目
2018:1軍出場なし
通算:968試合3001打数759安打131本塁打419打点 .253

◯城所龍磨(ソフトバンク)15年目
2018:41試合24打数4安打1本塁打2打点 .167
通算:716試合465打数91安打8本塁打42打点 .196

◯寺内崇幸(巨人)12年目、現役引退
2018:1軍出場なし
通算:670試合818打数178安打5本塁打39打点 .218

◯高橋朋己(西武)6年目
2018:1試合0勝0敗0セーブ0ホールド -
通算:160試合6勝5敗52セーブ40ホールド 2.74

◯久古健太郎(ヤクルト)8年目
2018:1軍登板なし
通算:228試合8勝6敗2セーブ49ホールド 4.20

 タイトル獲得経験者や沢村賞やベストナイン、ゴールデングラブ賞といった各賞の受賞経験者も数多くいた。さらには、プロ在籍10年を超えるベテランの名前も多かった。巨人の上原浩治投手は自由契約に。左膝のクリーニング手術を受けたため、その回復を見極めるための措置と見られている。上原の成績は以下のようになる。

◯上原浩治(巨人→MLB→巨人)20年目
2018:36試合0勝5敗0セーブ14ホールド 3.63
NPB通算:312試合112勝67敗33セーブ23ホールド 3.02
MLB通算:436試合22勝26敗95セーブ81ホールド 2.66
日米通算:748試合134勝93敗128セーブ104ホールド 2.94

 摂津や五十嵐、西岡をはじめ、今季限りで現役を引退した中日の岩瀬仁紀投手や荒木雅博内野手、広島の新井貴浩内野手、巨人の杉内俊哉投手などは、球界で一時代を築いてきた選手たち。そういった選手たちが戦力構想外を伝えられ、また、ユニホームを脱ぐ決断を下しているのを目の当たりにすると、球界全体が若返りの道を進んでいることが強くうかがえる。(Full-Count編集部)

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