マリナーズ・パクストンのトレードは「いつ起きるか」の問題に

ジェームス・パクストン(マリナーズ)のトレードを巡って、周囲が騒がしくなり始めている。2019年シーズンに向けてジェリー・ディポートGMがロースターの「再構築」を行うことを明言したマリナーズは、すでに正捕手のマイク・ズニーノをレイズへ放出。次のトレード候補は左のエースに成長したパクストンであると見られている。地元紙タコマ・ニュース・トリビューンのTJコッテリルはパクストンのトレードについて「トレードされるかどうかの問題ではなく、トレードがいつ起きるかの問題だ」と表現している。

今月初めに30歳になったばかりのパクストンは、自己最多の28試合に先発して160回1/3を投げ、11勝6敗、防御率3.76、208奪三振をマーク。勝利数こそ昨季の12勝に及ばず、被本塁打の急増によって防御率も悪化してしまったものの、トータルで見れば自己ベストと呼んで差し支えないシーズンを過ごした。このことに加え、まだ2シーズン保有であることを考えると、エース級のポテンシャルを持つ左腕の獲得には多くのチームが興味を示すと見られており、大型のトレードが成立する可能性が高い。

大手データサイトのファングラフスでは、ジェフ・サリバンがここ数年のパクストンの進化について分析。そして最終的には「パクストンは全てのチームが短期決戦で欲しがる投手の1人だ。パクストンは全てのチームがワンゲーム・プレーオフで欲しがる投手の1人だ。パクストンは先発ローテーションにおいて(他球団との)違いを生み出す投手になる可能性を秘めている」とパクストンのことを絶賛している。

マリナーズのマイナー組織が貧弱であり、パクストンを保有可能な残り2年のうちにポストシーズン進出を狙える可能性が低いことを考えると、パクストンを放出して若手有望株を得ることは理にかなっていると言える。ヤンキース、アストロズ、ブレーブス、フィリーズ、ブリュワーズといったコンテンダー(=優勝争いをするチーム)の多くが先発投手陣に不安を抱えているため、これらのチームによって熾烈なパクストン争奪戦が繰り広げられることになるだろう。

© MLB Advanced Media, LP.