H&M、12月からショッピングバックを紙製・有料化

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ルーカス・セイファート社長。右手にプラスチック製ショッピングバッグ、左手に紙製バッグを掲げている

H&Mヘネス・アンド・マウリッツ・ジャパン(H&Mジャパン、東京・渋谷区)は12月5日から国内全店舗のショッピングバッグをビニール製から紙製へ変更し、有料化する。プラスチックおよびショッピングバッグの使用量を減らし、廃棄物を削減、海洋環境への負荷を減らす狙い。アクセサリー用の最小サイズを除くすべてのサイズを1枚20円で販売、12月5日からはプラスチック製バッグも有料化する。国内有数のファッション大手が紙製・有料化に移行することで、廃プラ・廃棄物削減の動きが一層加速するとみられる。(富永周也)

H&Mグループは「サステイナブルなファッションの未来を目指す」を標榜、消費者に参加してもらえる取り組みとして古着の回収や「グローバル・チェンジ・アワード」などを展開してきた。ショッピングバッグの紙製化は今年9月に着手、現在までに32の国と地域に広がっている。

日本で使用される紙製ショッピングバッグは、すべて森林管理協議会(FSC)認証を受けた紙、または100%再生紙を利用して、国内で製造される。耐久性をもたせながら、輸送時に環境に負荷をかけないため軽量化に努めたという。マイバッグ促進のため、オーガニックコットン製のオリジナルバッグを200円~300円で販売する。

紙製バッグの製造コストを除いた「余剰金」はすべて世界自然保護基金(WWF)ジャパンへ寄付する。WWFジャパンは海洋ゴミやプラスチック汚染の対策に寄付金を利用する予定。同社は「この取り組みが100%循環型ファッション業界の未来へ続く第一歩となることと信じている」と意欲を込める。

2040年までに「クライメット・ポジティブ目指す」

「私たちは2040年までに『クライメット・ポジティブ』の実現を目標にしている。そのためにはこのような一つ一つの取り組みを着実に進めることが大切。世界で2番目に大きいファッショングループとして、自然環境に配慮した100%循環型のファッション業界を実現することが私たちの使命だ」

ルーカス・セイファートH&Mジャパン社長は13日、同社ショールームで開いた発表会でこう語った。

H&Mグループは2030年までに、100%リサイクル製品またはその他の持続可能な原料を使用すること、また2040年までにバリューチェーンよりも多くの温室効果ガス排出量を削減する「クライメット・ポジティブ」の実現を目指すと公表している。

ショッピングバッグの紙製化、有料化は世界各国で進捗しており、先行する英国では1枚5ペンスでバッグを販売。使用料を60%削減、余剰金をユニセフに寄付する実績を上げた。

この日の会見では国内に88店舗あるH&Mストアにおけるプラスチック製バッグの使用量は公表されなかったが、2020年までにショッピングバッグの使用量を有料化前の50%まで減らすという目標を掲げた。

とはいえ、日本1号店がオープンした2008年、プラスチック製バッグを採用したことも事実だ。これについて同社は「当時もプラスチックと紙のどちらがサステイナブルかという議論はあったが、紙には森林伐採の問題もあり、リサイクル技術が普及しているプラスチックを選んだ」と説明する。

国内のファッション業界でもSDGs(持続可能な開発目標)を事業に取り入れる動きが活発化しており、特に脱プラ問題は一般消費者の関心も引き寄せている。今後の10年、20年でサステナビリティをめぐる企業や消費者の意識が変化する可能性もあるが、H&Mの取り組みは、企業と消費者が意識を共有するという点でひとつの契機となるだろう。