納税にLINEPay導入 神奈川県、自治体で初

 神奈川県は13日、消費者の利便性向上と事業者の人手不足解消などを目的にした「キャッシュレス都市(シティ)KANAGAWA宣言」を発表した。来年1月から、「税金支払いのキャッシュレス化」として、自動車税などの納付に無料通信アプリ「LINE(ライン)」の決済サービス「LINE Pay(ラインペイ)」を導入。同システムを利用した税金の支払いは全国の自治体では初めてという。このほか、キャッシュレスサービスの提供者と事業者の橋渡しや、普及啓発事業などにも取り組む。

 対象になるのは、自動車税と個人事業税、不動産取得税。自宅に届く納税通知書のバーコードをラインペイを使って読み込み、納付する。利用するには、あらかじめコンビニなどで現金をチャージすることが必要。時間や場所に関係なく支払いができるため、県税務指導課は「いつでも、自宅からでも支払える。利便性に加え、納付率の向上にも期待したい」とする。

 経済産業省によると、世界各国のキャッシュレス決済比率は2015年時点で韓国が89%、中国が60%と高く、欧米でも50%を超える国がある。その一方で、日本は約18%にとどまっている。黒岩祐治知事は同日の定例会見で、「神奈川の労働人口は今後本格的な減少が想定されている。キャッシュレス化で現金を取り扱う手間やコストが減れば、事業者は生産性を向上でき、その分をサービスにシフトすることで消費者は満足度や利便性が高まる」と説明。「いち早くキャッシュレスを推進することで、より便利で発展的な社会を実現できる」と強調した。

神奈川県庁

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