南海トラフどう対応? 神奈川県内27市町が警戒対象

 南海トラフ地震の警戒情報を巡る新たな防災対応を検討する政府・中央防災会議の作業部会は13日、対応策の骨子案を提示した。同地震で震度6弱以上が想定される地域の自治体や企業などに警戒対応の計画策定を求める方針で、神奈川県内は横浜、藤沢など27市町が対象となる見込みだ。

 南海トラフ地震で震度6弱以上の揺れが予想される市町村は「南海トラフ地震防災対策推進地域」に指定されている。茨城から沖縄にかけての29都府県に計707市町村あり、神奈川では川崎、相模原、大和、綾瀬、愛川、清川の6市町村を除いた27市町が対象となっている。

 作業部会の骨子案では、これらの地域は気象庁から警戒情報が発表された際に取るべき行動について、あらかじめ計画に定めることが必要と指摘。行政機関だけでなく、ライフライン関連企業や被災時の影響が大きい企業についても策定を求める考えを示した。

 対象地域が広範囲に及ぶことから、警戒対応の実施に伴う社会的な混乱の回避を念頭に、関東や東海といった地域ブロックごとに対応策を調整することが望ましいとも言及している。

 最悪の場合、マグニチュード(M)9の恐れがある南海トラフでは、M8級の短期間での連動発生が歴史的に繰り返されたほか、比較的小規模なM7級や異常な地殻変動などが起きる可能性もある。

 作業部会は、警戒情報の発表対象となるこれらの現象について、段階的な対応策を検討。深刻な被害が広域に及ぶM8級の連動ケースでは、後発の地震が発生する前の1週間程度を基本として、津波危険地域からの住民避難や危険物取り扱い施設での出火防止措置などを求める方向だ。

 作業部会は年内に対応策の方向性を取りまとめる予定だが、6回目となったこの日の会合では、警戒対応を開始するタイミングや避難した住民の食料確保策などについて委員から異論が出され、検討課題を積み残した。

南海トラフ巨大地震 神奈川県内の対策指定地域(2014年)

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