山口大、中高生向けバイオ実験キットを開発

©株式会社中国新聞社

 山口大は、細胞を光らせる遺伝子を組み込み、動物細胞が増殖する様子などを観察できる中学・高校生向けの実験キットを開発した。特別な装置がない学校でも安価に実験できるのが特徴。国内研究者のノーベル賞受賞で注目される細胞生物学への関心を若者たちに持ってもらう狙い。

 実験ではキットに同封されたシャーレや試薬を使い、カイコの細胞に緑色蛍光タンパク質(GFP)の遺伝子を組み込む。細胞が作るタンパク質が遺伝子の働きによって約1週間で緑色に光るようになり、目視や顕微鏡で確認できる。生きた状態で細胞分裂も観察できる。キットには赤色蛍光タンパク質(DsRed)の遺伝子も入っており色を変えて実験できる。

 こうした実験ができるのは、中高校では高価な装置や研究施設を持つ学校に限られていた。山口大農学部の内海俊彦教授(62)が、地元の高校教諭から「細胞を使った実験を学校でもやってみたい」との要望を聞き、2年間かけて開発した。内海教授は「多くのノーベル賞受賞者を出している細胞生物学の分野は日本のバイオ研究の花形。遺伝子の働きや細胞の活動を見ることで興味を持ち、後に続く子どもが増えれば」と話す。

 キットは9820円。8グループが同時に実験できる。同大の技術を普及する組織「山口ティー・エル・オー」のホームページから申し込める。

開発したキットを使って実演し、容器内で緑や赤に光る動物細胞の様子を見せる内海教授