【愛媛県知事選11月18日投票】若者必読!投票する前に知っておきたい10の数字

愛媛県知事選挙が11月1日告示、11月18日投開票というスケジュールで行われています。
愛媛県では18歳選挙権のもとで行われる初めての県知事選挙ということもあり、若者の動向が注目されています。
そこで、愛媛県政において若者とかかわりのある10の数字をご紹介します。候補者の政策を読み解く際の参考資料として、ぜひご確認ください。

愛媛県の人口は139万人 。毎年、3千人の若者が県外へ

愛媛県の人口は約139万人(平成30年1月1日住民基本台帳人口)、平均年齢は48.6歳(2015年国勢調査)です。
1985年に153万人ほどであった愛媛県の人口は1990年代には緩やかに減少をはじめ、近年そのペースが早まっています。特に目立っているのが若者の県外への移動です。図表にもあるように、高校や大学の卒業を迎える年代で毎年3,000人程度の転出超過となっています。なお、国勢調査を基にした分析では、若者世代の県外への転出超過は少なくとも1980年代から続いていることも明らかになっています。

図表1_愛媛県の年齢別人口の推移、年齢階級別純移動数

また、少子高齢化の影響も今後ますますはっきりと表れてきます。
65歳以上の方は2010年には県民の4人に1人でしたが、2020年には3人に1人となり、2040年にはおよそ40%の県民が65歳以上の方になる見込みです。

2020年には2千人の介護人材が不足

高齢者人口の増加は、近い将来の介護需要の増加にも結びついていきます。
厚生労働省の調査によると、2016年度に愛媛県内には2.8万人の介護職員の方がいましたが、2020年には3.1万人、2025年には3.3万人の介護職員の需要が見込まれています。
今後も介護職員の増員が進められる見込みですが、2020年に見込まれている職員数は2.9万人と2千人程度の不足が予想されています。

48人(保育所)と202人(放課後児童クラブ)。愛媛県の待機児童

少子高齢化の傾向が強まる一方で、愛媛県の合計特殊出生率(平成29年度)は1.54と全国平均1.43を上回っています。地域の中で子どもたちが健やかに育まれ、活躍していくことが期待されますが、子育てに関する課題もあります。
厚生労働省による調査では、愛媛県の待機児童数は今年の4月1日時点で49人。前年度からは48人の減少となりましたが、近年は100人程度の待機児童がいる状態が続いていました。

また、「小1の壁」が有名な放課後児童クラブの待機児童数は前年度(128人)よりも74人増えて202人(2017年5月1日時点)となっています。前回県知事選挙のあった年である2014年5月1日時点の放課後児童クラブの待機児童数は77名でしたので、近年その需要が高まっていることがわかります。

10万人当たりの小児科医数113.8人は全国19番目。愛媛県の医療環境

10万人当たりの小児科医数は113.8人と愛媛県は全都道府県の中で多い方から数えて19番目となっています。なお、診療科を問わない医師数は216.8人と全国で16番目です。

図表2_愛媛県の人口10万人当たりの医師数、小児科医数

人口当たりの医師数、小児科医数ともに多い方から順に並べていくと、近年、愛媛県は10番台後半~20番台前半の順位が続いています。

女性の就業率は72.1%。過去15年間で10%超の上昇

男女共同参画白書(平成29年版)によると、愛媛県の女性の就業率は72.1%と2000年(61.3%)に比べて10%程度高まっていることがわかります。なお、全国で比較すると高い方から数えて32番目となっています。
また、文部科学省の調査では愛媛県の女性の大学進学率は56.7%(全国平均57.7%)と全国で18番目となっています。なお、男性と女性を合わせた大学進学率は53.7%と全国で16番目です。

有効求人倍率は1.55倍。正社員の有効求人倍率も1倍超。

全国的にも「売り手市場」にあると言われている雇用環境ですが、愛媛県でも人手不足が顕在化しています。
愛媛県における有効求人倍率は平成25年度(1.00倍)から1倍を超える状況が続き、昨年度は1.55倍と全国平均1.54倍を上回っています。分野では、医療福祉やサービス業の新規求人が増加しています。
なお、正社員の有効求人倍率も上昇が続いており、1.09倍(平成30年6月)となっています。

1人当たり県民所得は253.5万円

県民経済計算によると、愛媛県の平成27年度の県内総生産(名目)は4兆9160億円、増加率は4.0%と、全国平均(3.1%)や四国平均(2.7%)を上回る成長率でした。
一方、平成27年度の1人当たり県民所得253.5万円で、すべての都道府県の中で高い方から数えて36番目、四国の中では3番目となっています。県民所得の増加率は年によってばらつきがあるものの、平成25年度からは3年続けてプラスになっています。

30年以内に南海トラフ地震が発生する確率は70~80%

安心・安全な暮らしのために、大規模災害に向けた備えが注目されています。
特に今年は政府の地震研究調査本部が南海トラフ地震の30年以内の発生確率をそれまでの70%から70~80%へと引き上げたり、大規模な台風被害が相次ぐなど、自然災害への備えの重要性を感じさせる年となっています。
若い世代の方は、他のどの世代の方よりも長く愛媛県と関わりを持つことになりますし、そのことは南海トラフ地震などの大規模な災害に直面する可能性が他の世代の方よりも高いことも意味しています。

なお、今年度の県予算では、南海トラフ地震などの大規模災害に向けた防災減災のために「特別枠」として47事項90億円が採用されています。
発生すると甚大な被害を起こすことがわかっている南海トラフ地震に対して、被害軽減のために今からどのような備えをしていくのか注目されます。

平成30年度予算は6,227億円。県民一人あたりでは44.7万円

愛媛県の平成30年度当初予算は6,227億円です。県民一人あたりにすると、44.7万円になります。

予算の使い道としては、学校の運営や文化の振興などにあてられる教育費21.5%が最も多く、続いて医療・福祉に関すること、例えば今年度はドクターヘリなどの緊急医療対策を重点施策の一つとしている民生費15.3%、県庁全体の仕事の取りまとめなどを行う総務費15.1%、道路や橋の整備などを行う土木費9.5%となっています。

前回の県知事選挙の投票率42.93%は過去最も低い投票率

県知事選挙の有権者数は約117万人です。
愛媛県を100人の村に置き換えてみると、村人の内84人が投票権を持っていることになります。前回県知事選挙の投票率は42.93%でしたので、今回も同じ投票率だと仮定すると県知事選挙で投票する村人は36人になります。
近年、県知事選挙の投票率は低下傾向にあり、2000年代に入ってからは一度も50%を越えていません。特に前回の県知事選挙の投票率は、愛媛県知事選挙における過去最低の投票率となっています。
また、動向の注目される10代有権者の投票率ですが、衆議院議員選挙での10代有権者の投票率は32.84%と、全年代平均50.74%を下回っています。また、全国の10代有権者の投票率40.49%よりも低くなっています。

今回の県知事選挙における期日前投票での投票率は、告示日から9日目の時点で3.1%と前回2.0%や前々回1.9%の同時点の投票率を上回っていますが、このことは県民の県政への関心の高まりを示すサインとなっているのでしょうか。
今後、他のどの世代の方よりも長く愛媛県とかかわりを持つことになる「若者」が、愛媛の未来を「自分ごと」として考え、各候補者の政策を読み解き、納得のいく1票を投じていくことが期待されます。

© 選挙ドットコム株式会社