海外でも人気のEMOJIは日本発祥!国や地域によって使い方が違う!?

日本発祥の意外なものをご紹介する「知られざるジャパンクオリティの世界へ。“日本発祥の意外なもの”」特集。今回はEMOJIについて。

日本発祥の絵文字は、世界中の人々に愛されています。一般的に人気なのは何か?彼らが使う絵文字は日本人とは違うのか?地域や国によって特徴があるのか?個人的調査になりますが、過去2年の筆者の友人知人とのやりとりから調べてみました。

絵文字選びは、文章の内容や人の個性、相手との親しさにもよるので偏りは出るものの、ざっくりとは傾向が分かります。

調査対象の国籍について

(c)Shio Narumi

調査対象となるのは、筆者が国籍を覚えている人で、絵文字を使わない5人を除いた、40人になります。ヨーロッパ25、アジア6、南米5、中東4の20か国。10代から60代まで。男性18人、女性22人。語学学校で知り合った、一時的にイギリスに来ている人が多いです。メッセージはマンツーマン、グループチャットの両方を含みます。

90種類以上絵文字が出てきたなかで、同じ人が何回使っても1とカウントします。

他国の人が使っているのを見て影響されることはあると思いますが、出身国、地域で見ていきましょう。

海外の人によく使われる顔文字

(c)Shio Narumi

一番よく使われていたのは、「1.投げキスの顔」で14人でした。ヨーロッパ、アジア、南米、中東の人々が使っています。ただアジア人の場合は、挨拶としてのキスの習慣がないので、イギリスに来て真似するようになったと思われます。おやすみとか、またねの挨拶や、恋愛問わず親しみの気持ちを伝えるのに使います。似たところでは、フランス人とベルギー人が唇の「2.キスマーク」を使っていました。

次によく使われていたのは、最大のハッピー感を伝える「3.目も笑う笑顔」が10人です。男女問わず、中東以外に使われていました。

その他笑顔シリーズでよく使われるのは、最もベーシックな「4.やや笑顔」がヨーロッパとアジアで7人、眉毛のついた「5.笑顔」と「6.目を閉じた笑顔」は共に、6人ずつで、内訳は、ヨーロッパ、中東、アジアでした。

「7.嬉し泣きの顔」は、爆笑の意味で使われることが多く、ヨーロッパとアジアと南米の8人。地域というより、10代が中心という特徴があります。

茶目っ気のある「8.ウィンクの顔」が9人。男性5人、女性4人のアジア以外の地域です。また「9.舌を出したウィンク顔」は、ジョークを言ったりするときに使い、スペイン、イギリス、イタリア、スイスとヨーロピアン4人のみとなりました。

「10.大泣きの顔」は、イタリア、スイス、韓国、タイで、おもにアンラッキーのときに使います。

めでたいときに使う絵文字

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「11.クラッカー」が一番人気で9人。イタリア、イギリス、スイス、ドイツ、オランダ、トルコ、コロンビア、韓国と、今回の調査対象における全地域で使われます。日本人も使いますし、世界に通じる祝い絵文字のようです。クリスマス、ニューイヤー、誕生日のいずれにも使われています。また、イタリアやトルコでは「12.くす玉」を併用していました。

クリスマスは、「13.サンタクロース」「14.クリスマスツリー」はオランダ、イタリア、スイス、韓国で確認していて、誕生日の「15.バースデーケーキ」はスイス、韓国に見られます。ニューイヤーなどの「16.ビール乾杯」はスイス、コロンビアで使われており、どれも見て通じるので世界共通だと思いました。

「イタリア人はハート大好き」各国の特徴

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シンプルなハートは7人が使っていて、「17.赤色のハート」を中心に、いろいろな色を見かけました。うちイタリア人が3人で、いくつも並べて使うことが多いです。「18.目がハートの顔」、「19.目がハートの猫」なんかも大好きです。

それ以外の国では、オランダ、シリア、タイ、韓国で女性中心にハートを使っています。

ハートを使う人たちの間で、「20.ふたつのハート」は2番人気。日本人がたまに使う「21.輝くハート」や「22.ふるえるハート」は見かけません。

また、イタリア人とイギリス人は、花束など各種花の絵文字を使うことが多いです。

顔文字を一番使うのは、スイスの人で、1人平均5個を使い分けます。

アジアの人々は、割となんでも気兼ねなく使う印象があります。

また、一見地域差がありそうな「23.OKの手」ですが、5人の内訳が、コロンビア、中国、イタリア、韓国、トルコとどの地域でも使われています。

変わった使い方あれこれ

(c)Shio Narumi

魚嫌いなスイス人がイタリアのサルデーニャに旅したときのこと。海の写真だったので、魚を食べたか試しに質問したら、食べるわけないというメッセージとともに届いたのが、「24.恐怖で叫ぶ顔、マスク顔、のぼせ顔」の組み合わせでした。外国人もマスク顔をつかうのだなあと思いました。

コロンビア人のクラスメイトが、お別れのメッセージに、明らかに「25.バツのポーズをする人」をハグの意味で送ってきてくれたときは笑いました。

イギリス人が、「26.あわせた手」をごめんなさいの意味で使っていて通じましたが、本来お願いとかありがとうの意味が一般的と聞きます。

さて、一番意味が分からなかったのが、「27.見ざる」です。イタリア、スイス、中国の20歳前後の女子が使っていました。イタリア人とスイス人は、泣いている猿と捉えていたようで、かなしい、寂しい、恋しいという意味で使っているようでした。中国人は複雑で、それに加え、恥ずかしい、かわいそう、よかったね、眠いにも使っていたようにみえました。

絵文字の万国共通なかんじと同時に、いろいろな解釈ができる自由度の高さを改めて感じる結果になりました。

参考

[Let’s EMOJI]

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